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96話 誰か説明して
96話 「誰か説明して」
私は人間に戻った。
「どういうことだ、アイ。」
『羽場咲は人に攻撃はしないはずです。』
「なんでそう言いきれるんだよ!」
『わか……りま……せん。』
「おい!アイ!フリーズするな!おーい!生きてるか!?」
突然どうしたんだコイツ……。
どうやらさっき攻撃してきた羽場咲は他の人達には何も危害を加えていないようだ。
幻か?あれ。
それにしても何故私と夏菜だけが……。
「栗山さん!大丈夫ですか?」
「あっ、マフラー有亜。」
今はマフラーしてませんけどねとツッコミながら抱えていた夏菜を地面におろした。
「ひどい怪我……羽場咲め……。」
私は立ち上がりタブレットをマフラー有亜に預けた。
「そいつ、フリーズしたから使えないよ。」
「どこに行くつもりなんですか?」
「羽場咲を倒しに行く。」
「それは危険ですが、どうしてもと言うなら勝手にどうぞ。」
「桃を頼む。」
全速力で羽場咲を探しに行った。
でもどこにもいない。
「ねぇそこで何してるの?」
後ろから小さな声がした。




