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あいすくりーむ  作者: 抹茶いちご
第11章 栗山桃
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91話 助けに来ましたよ

91話 「助けに来ましたよ」


マフラーの方の東雲有亜は足と腕を組みため息をついた。

「お前が変えたのは結局、鎌倉夏菜の能力と周りの環境という事だな?」

「周りの環境を変えたって?なんで?」

「鎌倉夏菜は受験をするために友達とも離れとか言ってたじゃん。でも今鎌倉は中高一貫の高校ではなく、この学校に通っている。おかしくないか?」

「あぁ……その話ね。実は受かったんだけど勉強についていけなくて地元の中学に通うことになったみたいで。」

「そうなんだ……。」

「でも周りの環境を変えたのは間違えてない。」

「え?」

「まずは高校で雨璃や私が同じクラスになるようにその時仕組んでたんだよ。」

「ただの偶然かと思っていたよ。」

「まぁね。それと、雨璃の記憶もついでに消しといた。」

「おい!」

「前回はそれをしなかったから失敗したんだと思うんだ。」

「前回?」

マフラー有亜が尋ねたとき、もう1人の有亜は身を乗り出した。



「雨璃、空流京子、空乃舞夜、東雲有亜、東雲伊梨亜、瑛莉亜、マリア、真理さん、リア、みかん、鎌倉夏菜、私、そして羽場咲の恋の行方が地球に関わってるんだよ。」

『私達も?』

「もちろん。でも前回は上手くいかなかった。今回が2回目。必ず皆が幸せになるように成功させなきゃならない。」

「私、そんなこと覚えてないよ。」

もう1人の有亜は泣きそうになっていた。

「何回やり直せるかわからない。だから何回も失敗できない。」

そりゃ私だって前回を知ってても怖いさ。

「キーパーソンは?」

「へ?キーパーソン?」

マフラー有亜が唐突に質問し始めたため頭がこんがらがっている。

「いまの現状を物語とすると、その物語のキーパーソン一体誰なのさ?」

「私かな?」

「本当にそうか?」

「なっなんなの?」

「お前が自由に世界を変えられるならとっくに物語はハッピーエンドのはずだ。しかしそうはいかない。邪魔な奴がいるんじゃないか?」

「邪魔な奴か……。確か私が皆が幸せになる世界を作ろうとしたら羽場咲に殺されたんだよな……まさか羽場咲?」

「そいつだろ。鎌倉夏菜に予知能力をそなえたのも。」

「そんな……。」

なんで羽場咲が……1番幸せな関係を望んでいそうなのに。

「そういえば、高校2年になってしばらく経つのになんで鎌倉さんと雨璃先輩が接触しなかったんだろう……。」

さっきまで半泣きだった有亜が真剣に考えている。

待て待て待て待て、なんだこの展開。

私の過去を話してそれで終わりだったはずなのに。

私もいつの間にか真剣になってしまっていた。

私と夏菜が幸せになればそれで私は満足なのに。

「接触出来なかったとか?」

指をパチンとしてドヤ顔を決めるマフラー有亜。

「じゃあどうすればいいのさ!私はただただ夏菜と付き合いたいだけなのに……」




















頭を抱えた私は焦っている有亜2人の後ろに誰か人がいるのに気がつかなかった


















「なんだこの綿!」

「すごいモコモコしてる。」

「別人有亜!関心してる場合じゃないよ!」

「わぁーモフモフ~」

「有亜!?」







なんでこんな事になったんだよ。

どうして付き合ったらダメなんだよ。

誰か説明してよ。

頼むから……







これ以上争わないで……。






















「ご主人、私Snowは主人を助ける役目もありまして。『アリスのアリス』の中ではそうなんですが……あの、聞いてます?」

彼女のフワッとした声が私の耳に届いた。

次回の更新は5月27日となります。

ご了承ください。

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