85話 みんなはどこへ
85話 「みんなはどこへ」
落ち着いた後、再び学校に向かって歩き出した。
「ねぇ、小さいころこんな事になるなんて想像してなかったでしょ。」
「マフラーを貰うまではね。」
「ふーん。私は家族がバラバラになってからかな。」
「そう思うと、今まで大変だったね。」
「これからもだよ。」
「うん。」
これからもか,,,,,,。
もしかしたら死ぬかもしれない。
何も知らないままあっさりと。
考えても仕方ないか、もうなにをしようが遅いんだから。
何もしてこなかったんだから。
「そんなことないよ。」
「え?」
まさか口に出して言ってた!?
「雨璃先輩も京子様も空乃先輩も真理さんもお母様も、みんな今はいないけど、どこかで頑張ってるんだよ。何のためかは言わないけどさ。」
「アリア,,,,,,。」
いつの間にか学校の教室の前まで来ていた。
てきとうにドアを開けていると3回目でピンクの髪が見えた。
「よく来たね。歓迎はしてないけど。」
栗山はにたりと笑っていた。
「で、何?」
溜まっていた唾を一気にのみこみ言い放つ。
「お前はなんでこうなった!!」
彼女は椅子に座った。
「まぁ、椅子に座りなよ。」
10章はこれにて完結です。
次章は栗山桃の事情が明かされます。
語りは栗山桃です。




