81話 勘違い
81話 「勘違い」
タブレットは栗山桃が口を開いてから全く音沙汰無しで役に立たない。
こういう時に活躍するんじゃないの?
しばらくの沈黙の後、鎌倉夏菜が言った。
「雨璃、離れろ。」
「はぁ?なんで!?」
「離れないなら無理やり!」
鎌倉は雨璃を突き放した。
すると栗山桃はいきなり銃をだし、鎌倉に向けて撃った。
倒れた鎌倉から血は出ていない。
麻酔銃か?
「お前!何をした!」
栗山桃は雨璃の叫びを聞こうともせず鎌倉を起こし、自分の方へ引きつけた。
「じゃあねみんな。これで私は……」
バリン!!!
栗山桃の近くの窓ガラスが一気に割れて、
この時間軸の東雲有亜と鎌倉夏菜が出てきた。
ガラスの破片が腕に突き刺さっても栗山桃はびくともしなかった。
「……。どいつもこいつも私の邪魔をしやがって!」
栗山桃はもう一つ銃を出して別の時間軸の鎌倉夏菜に突きつけた。
「別の時間軸の東雲有亜と夏菜!そしてマフラー女とメガネ!動いたらこいつを撃つ!」
ん?
「いいのか?あぁ?」
んん?
『ズーズー……あっ、皆さんヤバイ感じですか?』
「タブレットかしら?なっ何?何の用?」
『その声は真理さんですね。マフラー東雲さんはどうなってます?』
「は?あぁ……えっと固まってる。」
『そうですか。分かりました。』
『試しに栗山桃さんを挑発してください。つまり動けって事です。』
なっ、こんな勘違いされてて、別の時間軸の鎌倉夏菜がピンチなのに?
まぁ仕方ない。従うしか術がない。
私は1歩足を出した。
栗山桃は即座に鎌倉夏菜を撃とうとした。
「あっ……」
いつの間にか栗山桃は自分を撃っていた。
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