8話 空流と空乃の気持ち
8話 「空流と空乃の気持ち」
「えー勝負の内容ですが、咲先輩に彼女として認めてもらうためにそれぞれ自分の思いをぶつけてもらいます!」
東雲はくじを出し、順番を決めさせた。
1番 空流京子
2番 空乃舞夜
3番 東雲有亜
4番 私
このくじ本当に何も仕込んでないよな?
「では空流さんそちらの椅子に座ってください。」
屋上に既に椅子を持ってきていた東雲は大きな声で言う。
「それではスタート!」
「私はあなたが好き。誰よりも好きで中学の時からずっと見ていたの。あなたは知らないだろうけど。
高校に入ってからも同じクラスになれて嬉しかったわ。最初のうちはね。
まさかのあなたが変人だとは思わなかった。
高1の夏休みに入る前、あなたに対しての感情がなくなっていたわ。そのうち、空乃と友達になって雨璃とも話すようになってからもうあなたを気にする事は無かったの。
でも、でもね。雨璃がトイレの謎の手紙を見つけてそれに従ってあなたと話していたのを聞いていた時、雨璃を何故か恨んだの。あんなやつ邪魔だし、消えればいいって思ってた。いつの間にか空乃とも疎遠になってしまって私は気づいたの。やっぱりあなたが好きだって。誰よりも。だからこの気持ちをあなたにぶつけるわ。あなたを忘れかけていた当時の私にはありえないと思っていたけど、あなたと付き合いたい。それが私の気持ちよ。」
空流は立ち上がって咲に抱きついた。
「あなたは誰にも渡さない。」
しばらく抱きついていた空流を東雲は無理矢理引き剥がし、空乃を座らせた。
「次は空乃さん。どうぞ。」
「元々こんな勝負参加するつもりは無かったんだけどね、いろいろ考えてこうすることにしたの。あのね、私はあんたが嫌い。あ・ん・たが嫌いなだけだから。
あなたは好きなの。変人じゃなかった時のね。今は昔のあなたに戻ろうとしてるみたいで私はそれを願っているの。だから私の気持ちわかるわよね?」
空乃はサラッと言って終わってしまった。
東雲は席に座る。
みんな真剣だけど正直私は彼女になりたいとかそういうのはない。
だから……
「じゃあ次始めますね」
だからって私、なんであんなこと言ったんだよ。




