78話 「私も」
78話 「私も」
実は現在午後2時
学校についた私達は早速中まで入り、栗山桃を探す。
「それにしてもおかしいね。だーれもいないなんて。」
別人有亜はすぐそばの教室の扉を開けた。
本当に誰もいな……ん!?
なんだこの赤い部屋!
「え……?」
「どうしたの?鎌倉さん。」
「おかしい……。」
「赤いのが?」
「私はつい最近この教室の血だらけの戦いを見てたんだけど、その時助けてくれたスノウが言っていたのだと、『今教室を掃除しているのは栗山桃』だったはず……。でも掃除されていない。」
ん?つまりどういうこと?
「見つけた。」
「きゃっ!」
「鎌倉!!」
いきなりドロップキックされた鎌倉は壁に思い切り身体をぶつけた。
した相手は鎌倉と同じ顔をした少女だった。
「あなたは!?」
ゆっくりと起き上がる鎌倉をそっと支えるセーラー服真理さんはそう言った。
「私はこの時間軸の鎌倉夏菜。そいつが違う時間軸から紛れ込んだ鎌倉夏菜。だから少し記憶が食い違うんだよ。」
私は恐る恐る聞いてみた。
「さっきのこの教室が血だらけだってことも?」
「そうだね。あともう一つ。これは私達にしかわからない話。」
ドロップキック鎌倉は完全に弱っている鎌倉に近づいて座った。
「スノウに助けてもらった私はスノウと話をしていた。その時、私は雨璃に嫉妬していると聞かされ、いや、私は雨璃が好きではないと心の中で思ったんだ。その後いろいろあってスノウに殺されかけて私はマリアに助けられあなたのいる時間軸に瞬間的に移動し、元の時間軸にちゃんと戻ってきたはずだった。しかし、そこは全然知らない世界で間違えてあなたも連れてきてしまった。ここまでOK?」
「う……うん」
「でね。今いるこの世界が私もあなたも知らない世界だってわけ。まぁボスにとっては邪魔だから私達を戻そうとしてるみたいなんだけど、じゃあ、この世界にいた違う私はどうなるんだって話でさっき栗山桃と羽場咲が揉めてたんだー。神社で。」
「神社?マフラー有亜さんが言ってたあの……」
「そうそうそこ!でさ、今から行ってみない?」
「……。行く前に一つ聞いていい?」
「ん?」
「私は雨璃が好きだけど、あなたは嫌いってことは確かなのね?」
「うん。」
しばらく沈黙が続いた。
今までをまとめられないほどややこしい話だった。
じゃあ私達は何なんだ。
ボス共は何がしたいんだ。
疑問が募るだけだった。
「私は待つよ。」
別人有亜……?
「私はみんなを待つよ。」
みんな?
「私は一つ嘘をついていても、待つよ。」
んんん?
「おい、偽物。嘘とは何だ。」
「あっ……。」
「口が滑ったみたいに手を当ててるんじゃありません!」
私はチョップをした。
「いたい……。」
「嘘とは何だ。」
「分かった分かった。話すからチョップはやめて……。」
別人有亜は私から1歩離れた。
「私、実はこの時間軸の有亜なんです。」
「待ってました!それ言うの!」
みんながそうぜんとしているなか、突然ドロップキック鎌倉夏菜がさけんだ。
「私もこの世界の住民なんだな!だからさっきの話は大体嘘!」
もうややこしすぎて頭が爆発しそうだ。
今更ですがこの話エイプリルフールにあげとけば良かったなと思ってます。
だんだんややこしくなってきたので次回はまとめ回とさせていただきます。




