7話 最悪の忠告
7話 「最悪の忠告」
空流と空乃は固まっていた。
「先程までの会話は聞いておりましたが、暴れるのはおやめください。」
「でも、こいつは私をのけ者に!」
「のけ者にはしませんから、話を聞いてください。」
咲とふたりはその場で正座した。
私ってこのまま座っていてもいいのか?
「東雲さんが勝手に決めた勝負ですが、雨璃さんが了承したので私も了承したまでです。しかしこの勝負、私が気を変えない限りは雨璃さんの勝ちとなってしまいます。それでもあなた達は参加しますか?」
『もちろん』
ふたりとも息が揃った。
「では、放課後屋上であいましょう。」
咲は自分の席に戻ろうとした。
「雨璃さん。」
「あっはい。何?」
いきなり話しかけられたので戸惑ってしまった。
「結果次第ではあなたと縁を切ってしまうかも知れません。それを十分理解した上で勝負してくださいね。」
東雲の忠告よりもえげつない忠告だった。
放課後までの教室の中はピリピリしていて、事情を知らない他の生徒は何が起こっているのかわからないだろうな。
私は授業をあまり聞かずに勝負のことについて考えていた。
下手したらひとりになってしまう。
もうそんなことにならないようにと今までやってきたのに。
「努力が水の泡だ。」
昔の友人に言われた言葉を思い出した。
でもさ、友達を作るのに努力してたら疲れちゃうじゃん。
そんなことを思っているうちに放課後が来てしまった。
屋上に行くと東雲、空流、空乃……そして咲がいた。
「それでは始めましょうか。」




