64話 「殺しても、殺しても」
残虐なシーンが含まれている可能性があります。ご了承ください。
64話「殺しても、殺しても」
屋上に着地したリアは私を抱えたまま降ろさない。
「リア?!何してんのアンタ!」
「大丈夫。」
は?
東雲とマフラー女が続いて上がってきた。
すると突き抜けたはずの穴が一瞬で直っていた。
「これがあいつの能力。」
「私は変装もできるし、回復も超早いの。」
「じゃあ、さっきの大きな穴も殴られて血が出た部分もなおしたってこと?」
「そゆこと。」
東雲は笑っていたがマフラー女はずっと睨んでいた。
「殺しても殺しても、こいつは死なない。偽物の癖に……」
「だからさぁ、偽物じゃないっつーの」
2人が戦闘の姿勢に入った瞬間、地にまた穴が開いた。
「このっ!」
東雲とマフラー女は落ちてしまい、私を抱えているリアも自分から穴に落ちた。
「みかん。」
「え?」
落ちた2人の間に白髪の少女が立っていた。
2人が起き上がるとその少女はまた穴を作った。
「あーあ。怒らせちゃった。」
東雲の能力でさっきの穴は塞がれたものまた開けられた穴に私達は落ちていった。
「リッア……」
「リアなんだけど。」
「風圧がすごいから……なかなか……うまく……話せない……の。」
「そ。で、何?」
「あのみかんって子は誰?」
「三つ編み関西弁の手下。私と同じポジション。」
「三つ編み関西弁……あー、あの人か。」
「怒らせたら最後だと思わないと……」
「え?怒ってるのそっち?」
「うん。そのうちくるよ。」
いつの間にか1階まで落ちていた2人。
体力が尽きたのか穴が直っていなかった。
「偽アリア。さようなら。」
みかんさんは東雲に穴を開けた。
「うっ……」
マフラー女はゆっくり立ち上がりみかんさんを睨む。
「あなた、あの白馬よね?なぜこいつを殺したの?」
「命令です。真理さんからの。」
「真理?」
「いやーいい加減にせなあかんで……この血どうするん?」
「この関西弁は!?」
「なんかそれ久しぶりやな。」
「おかえり。ボス。」
「ボス?別にええけど……」
この人が真理さん?全然怒ってなさそう……。
ん?こっち向いた?
「リア、降ろせ。」
「ラジャ」
ゆっくりとその場に降ろされた。
うわぁ血がべっとり……
「その血は偽物アリアの血や。そのうち一瞬で掃除してくれるやつが来るから気にせんとき。それよりも……」
さっきの笑顔を決して鬼のような表情で迫ってきた。
「あんたにはもうちょい知ってもらわなあかんことがある。それを今から説明するからよう聞いとき。」
血で滑って床に倒れ込みいわゆる床ドン状態になった。
あぁ、お腹痛い。




