62話 「リアです、よろしく。」
62話 「リアです、よろしく。」
さぁどうする、雨璃。
「ごめん」
やっぱりキスは無理か?
「ごめん。咲さん!」
「!?」
「あんたがしてっていったんでしょ?」
唇が重なり合う。
しばらくすると雨璃は離れた。
「もう出ていってくれるよね?」
「……えぇ……」
何か納得いかない。こんなにあっさりキスされるなんて……
「あんた本当に……」
私が叫びかけた時屋上のドアが開いた。
「何してんだ?」
「雨璃がもうひとりいるぞっ……ハハ!」
「どういうことでしょうか?」
え?え?
こいつは誰!?
「あんたは確か……鎌倉さん?」
「あっはい……そうだけど……」
誰だ……
「お騒がせしてごめんなさいね。」
私の目の前にいた雨璃は姿を変えていた。
マフラーにオレンジの髪。
「お前!」
「あっ、お久です。」
「マフラーさん!!」
もしかして朝、話してたマフラー女?
東雲有亜を殺したっていう……
いっ、一体どうなってるのよ!
「では私はこれにて。」
マフラー女が飛び去ろうとした時、
「待て!」
と雨璃が止めようとしたが私は我慢ならなかったので。
「ふざけるなぁぁぁぁぁぁあ!」
思いっきり胸ぐら(マフラー)をつかんで怒った。
「私のファーストキスを返せ。」
「さすがの私でもそれは無理ですね……」
「せっかく雨璃とキスできるって思ってたのに!!」
「ごめんなさいね~」
私の手を無理やり離して去っていった。
「くっ……」
「あの鎌倉さん……」
「何よ、雨璃のバカ。」
「バッ……私とキスとは?」
「もう過ぎた話よ。気にしないで……」
「……そうか……」
3人はそそくさと屋上を出ていった。
それでいい。それでいいのよ……。
昼休みくらい1人にさせて。
「もう5分前か。帰ろ。」
私は腹が立っていたのか乱暴にドアを開けた。
?
「少しどいてくれないかな?」
「嫌だよ。私はお姉さんを待ってたんだから。」
「私を?」
またなんか巻き込まれんの?
「私はリアです、よろしく」
握手された。
また知らない人……イライラする。
「おまけで関西弁のおねーさんも、いてて……」
「おまけてなんやねん。あぁ、すまんな。私は真理言うねん。よろしく。」
「??」
「今は頭ん中はてなだらけやと思うけど大丈夫、安心しい。」
「なっ……」
「リア、このピンクの子をしばらく見といてくれへんか?周りには見えへんから大丈夫やし。」
「はぁ!?そういう大丈夫!?」
「それじゃあそういうことで。」
真理さんは何故かほうきに乗ってどこかに行った。
「大丈夫。近い人間になら認知されないように命令してるから。」
リアちゃんは無表情でそう言って私の手を引っ張った。
大丈夫じゃないだろうが!
そう心の中でつぶやきながら教室に向かった。




