6話 あのふたり
6話 「あのふたり」
彼女は勉強、運動が平均的に出来て、
よくスイーツを食べていた。
彼女の名は空流 京子 (あくる きょうこ)
前髪がぱっつんとしていて髪型はショートボブ。
今、私を離れた席から睨んでいる。
もう1人。
彼女は前髪を左右に分けておでこを出し、髪を2つにくくっている。
勉強がすごくできる子で教えてもらう予定だった。
名前は空乃 舞夜 (そらの まや)
ちょうど教室に入ってきたところだ。
いつもなら抱きつくか飛びつくかするが
一言も何も言わずふたりとも席に座っていた。
教室の中はもう息苦しかった。
でも、誰かが来てこの教室に明るい空気をもたらしてくれると思っていたが、
真逆だった。
東雲有亜が来た。
「雨璃先輩!リベンジしに来ました!」
なんだリベンジて。何に挑戦してんだお前は……。
「あっ。」
東雲は他にも生徒がいることに気づき控えめに喋る。
なんて事はなかった。
「今日の放課後、私とあなたどちらが咲先輩にふさわしいか勝負しましょう!屋上で!」
私は断ろうと思ったが、どうせ強制的に参加させられるんだろうなと仕方なく勝負を受けることにした。
「ではまた!」
東雲が教室を出ていこうと扉を開けようとした瞬間、
「待ちなさい。有亜!」
空流が叫んだ。
「京子様……?」
「その勝負、私も参加させていただくわ。」
空流は今まで私が聞いたことのない口調で話す。
空乃は相変わらずじっとしている。
「えっでも。」
「大丈夫。私はあなたの味方だから、2対1でこっちが有利になるだけよ。ね?」
東雲は渋々頷き、こちらを向いた。
「ということですので、よろしくおねがいします。」
そそくさと出ていく東雲を送った空流は私を再び睨んだ。
「あなたが咲に気に入られようとも、最終的に私が咲の彼女になるんだから邪魔しないでよね。それか、消えてくれればその方が楽ね。」
ズカズカ歩き彼女は席に座った。
するとずっとじっとしていた空乃がしゃべり始めた。
「あんたさ、雨璃消える=咲に消されるなのよ?どこが楽なのよ。馬鹿じゃないの?」
「は?部外者が口を挟まないでくれるかしら。」
「部外者じゃねぇ!」
「昨日縁を切ったはずよ?」
「くそがっ!」
空乃が空流の肩を両手で突き飛ばし、
空流がビンタをして、
空乃が頭を殴り、
足で蹴って……
私が止めようとしていた時だった。
「何をしているんですか?」
咲がいつの間にか教室に入ってきていた。




