57話 アリア②
今回は少し残虐なシーンが含まれている可能性があります。ご了承ください。
「大変なことになってきたな。」
「そうだ……お前誰だ!」
ゴスロリ幼女が隣でたこ焼きを食べていた。
「 覚えとらんのか?私はマリアという。」
57話 「アリア②」
「えっと……マリアさん?なぜたこ焼きを食べてるんですか?」
「輪ゴムが切れているし不良品かと思っての。悪かったか?」
「いや別に……」
「それにしてもお前さん、コートの裾が短すぎないか?髪も前よりだいぶ短いし……あそこの椅子のシュシュも切れとるが何かあったのか?」
「へっ……えぇ!?」
いつの間にかコートの裾が半袖ぐらいになっていて手首が治っていた。バッサリと切られた髪とリボン、裾が地面に落ちていた。
シュシュも真っ二つに切れている
「あまりにイライラしていたから気づかなかったのか?」
「……」
ゴスロリ幼女マリアさんはたこ焼きをもう一箱開けて前に出た。
「久しぶりだな。アリア。」
「あら、マリアお母様。今日はどうなされたのです?」
「こちらの時間軸にはもう来ないはずだったんだがいろいろ異常を察知してな。」
「もしかして私の事ですか?」
「お前のことに関しては前々から監視していた。ついにこの時が来たまでのことだ。」
マリアさんはナイフをだす。
それに怯えたのか男共は逃げていった。
「ちっ。流石にもう無理か。」
アリアは一歩下がったかと思うといきなり飛んで咲の後ろに回り銃を突きつけた。
「私は時間軸管理人、東雲有亜!生まれた時からこの職についているが、小学6年生の時に飽きてしまってな。人生にも退屈していたから何かしようと思いあの噂を広めたんだよ。私は変装ができるから教師になってさらに広めた。」
咲の言っていたクズ教師ってお前のことだったのか!?
「その噂のせいでこいつは傷ついた。いやー嬉しいねぇ。人が悲しむところを見るのは。」
「アリア!」
「撃つよ。だから近づかないで。」
「!!」
アリアはずっとニヤニヤしている。
くそっ……戦闘要素が一切ない休憩章と言っておきながらもう戦闘間際になってんじゃねーか!
「どう?羽場咲。今の気分は、」
咲はずっと黙っていた。
かと思いきや……
突きつけられていた銃が咲の手元にいく。
そして煙とともに姿を変えていった。
マフラー女。
「お遊びはここまで。ね?」
マフラー女はアリアに銃を突きつけた。
「咲さんはイリアちゃんのとこにもう移動させた。マリアとそこに行きな。後は片付ける。」
「え!?アリアをどうするつもりで!!」
「もちろん殺すのさ。」
銃で撃たれたアリアはそのまま倒れた。
「アリアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
「マリア、早く連れていって。」
マリアさんに押し出されながら私は血まみれの死体を見ていた。
「これだから偽物は嫌いなんだ。」
マフラー女が何か言った気がした……。
「もう泣くでない。」
「うっ……うぅっ……」
祭りはどうやら何事もなく終わったらしいが、こちらは何も終わっていなかった。
とある公園、祭りの片付けはイリアエリアがやってくれていて、ベンチで眠っている咲をマリアさんと見守っていた。
「どういうことか説明してくれよ!」
「……」
余ったたこ焼きをせっせと食べながらマリアさんは首を傾げた。
「私の方が聞きたいことがあるんだが。」
私は何を言っても聞いてくれなさそうなので諦めることにした。
「殺すこと……ないだろうが……」
時間軸管理人の能力まとめ❷
マフラーさん
物を奪うことができ、時間軸も自由に移動できる。
他人になることや分身することも可能。
東雲有亜
変装ができる。
時間軸は変装しながら移動できない。




