51話 課題
51話 「課題」
「なんだよ。こんな時間に呼び出して。」
空乃は電話で真夜中の公園に来いと言った。
「いやー少し話がしたくてさ。」
「なら電話でいいだろ。」
「直接会いたかったんだよ。」
「……」
ループをしていた時、刀で頭を刺されたので不安でいっぱいだ。
「夏休みが始まって暇だと思うから私が課題を出してやろう。」
ドヤ顔でそんなことを言われても……
「課題?ただでさえ学校の宿題を終えていないのに一体何を出すつもりだ。」
「ほれっ。」
空乃は思いっきり刀を投げてきた。
「なっ!」
「それは刀だ。それを使って9個の心を切ってこい!もちろん夏休みが終わるまでに!」
「はぁ!?」
「切れなかった場合はお前を殺しに行く。いいな?」
「よくねーよ!だいたい9個の心ってなんだよ!」
「じゃあな。」
「ちょっ!おい待て!」
服の裾をなんとかつかまえたかと思いきや
刀を取られ手首を切り落とされた。
「うぎゃゃゃゃゃゃゃゃあ!……あれ?」
「手首は数時間経てば元に戻る。別にこの刀で切ったからって死にはしないし、痛みも感じない。所詮はレプリカだ。」
空乃は今度こそ去っていった。
「どうするんだよこれ。」
私の叫び声がうるさかったのか周りの家には明かりがついていた。




