49話 さぁまたでかけよう
49話 「さぁまたでかけよう。」
「三つ編み……」
空流はゆっくりと立ち上がり入れ物を刀で破壊した。
「空流京子!?その入れもん結構高いんやで!」
「ツッコミどころが違うぞ。」
「あっ……ごほんっ。今からお前をそこに閉じ込めようと思っていたのに!」
「ふっ……もう無駄よ。私は今から逃げるから。じゃあね。」
「待て!」
「待つわけがないでしょ?」
刀を鞘に納めた彼女の体は足から順に消えていく。
「空乃、また会いましょう。」
不気味な笑顔とともに消え去った……。
「まぁ空流京子がまたなんかしたらこっちで何とかするから任せとき。」
「私もまた馬に戻る。会えたらいいな。空乃、」
「雨璃お姉ちゃんをよろしくね。リアはどこにでもいるから会いに来てね。」
「イリア、そしてエリア。いろいろ迷惑をかけてしまって申し訳ない。」
「大丈夫です。マリア様。」
「では、帰りましょうか。」
マフラーさんが消えると次々にここにいた人が消えた。
残ったのは咲と私と雨璃。
「空乃さん。もう帰ってください。後はまかせて……」
「いやそれが出口がわからなくてさ……」
「それならそこのボタンを押してください。」
「おう……」
そういえば久しぶりに咲と話した気がする。
私はボタンを押した。
「おー!立派な部屋に戻ったな!」
私の感激をよそに、咲は雨璃を抱える。
「なぁ、またあの日みたいにさみんなで集まれねーかな。」
「え?」
「空流とかは無理だけどもっとたくさん友達作ってご飯とか食べたいなーって思ってさ。」
「屋上でですか?」
「そうそう!雨璃と咲、マリア、私。リアもみかんも呼びたい。」
「新しい友達とも……いいですね。」
「あー!夏休み早く終わってくれ!」
咲はくすくす笑う。
「まだ始まったばかりですよ。それに雨璃さんと仲直りできていません。」
「そうだな。」
「でも私もまた皆さんと会いたいです。争いでではなく。」
お辞儀をして咲は去っていった。
「私も行くか。」
先ほどまで争いが起きていた部屋の扉を閉める。
東雲家を出ると空気を新鮮に感じた。
さぁまたでかけよう。
その思いを胸に乗せ家へと向かった。
7章が終わりました。
時間軸管理人の能力をまとめておきます。
マリア
不老不死、時間軸を自由に回ることが出来る。
真理さん
先を読んで作戦を簡単にたてることが出来る。時間軸は限られた時間しか回ることが出来ない。
マフラーの人
相手の所要物を奪うことが出来る。時間軸管理人を監視するので時間軸を自由に回ることが出来る。
その他の人の能力
リア
周り(1km)の人に命令できる。または催眠術をかけられる。
みかん
馬ならなんにでもなれる。
次回からは語り部が雨璃に戻り
夏休みの話になります。
戦闘要素は一切ない休憩章です。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




