47話 停電
47話 「停電」
「基本、×××と時間軸を管理しているのが時間軸管理人なんだけど、そのふたつを奪えば管理人の能力は消え、普通の人間に戻ることができるの。」
「×××が雨璃だと?」
「そう。つまり雨璃さんを奪えば時間軸も奪えるからマリアの不老不死の能力が消えて殺せる状態になるってわけよ。」
「わざわざ説明してくれてありがとう。マフラーさん。その通りよ。」
空流は刀をマリアさんに向ける。
「こいつは私達を捨てて時間軸管理人になった!その時にはイリアもエリアも生まれていて生活するのが大変だったのよ!それなのに戻ってくる気配すらない!私はアリアが高校生になった時あなたを殺すために東雲家を出た。東雲という名を捨てて必死に探していた!やっと目的が果たせそうで私もほっとしてるわ!」
「ほっとされては困るわね。私を倒さなきゃ目的果たせないわよ?」
「一瞬で倒してやる。」
「やってみなさいよ。」
ふたりが戦う姿勢に入った途端
マリアさんが喋り出した。
「私は家族を捨てたという感覚はなかった。悪いとすら思っていなかった。すまない。」
「誤ったって何も変わらないのよ!」
「私が!私がお前さん達のところに帰りあの時の生活に戻ればいいだけだ。」
「でも、時間軸管理人の方は……」
「平行してやってみせるさ……だから許してくれ……頼むから……」
「雨璃だけは巻き込まないでくれ。」
精一杯土下座する幼女の前に立ち尽くす少女……
「空流さん。これで許してくれるなら戦いはなしということで……」
マフラーさんが奪った銃を返した。
空流はそれを受け取り
にやっと笑う。
「馬鹿じゃないの?娘に言ってもらうまで気づかないとか……しかもあんたがやった事はそれだけじゃないのよ。」
銃をマリアさんに向け撃った。
あまりのはやさに銃を奪えなかったマフラーさん。
マリアさんは倒れる。
「不老不死だからすぐ回復するだろうけど、雨璃と時間軸が手に入れば確実に殺すから。」
空流は刀をこちらに向ける。
「邪魔するようならあなたも殺すわよ。」
漂う殺気。
マフラーさんもニタリと笑い空流にまだ返していなかった銃を出す。
「こちらもそのつもりよ。」
楽しいはずの夏休みが恐怖へと変わっていたなんて言える状況じゃない。ていうかこれ百合小説だよな?
私は2人をじっと見ていた。
パキッ
急に電気が消えて雨璃の入っている入れ物が割れる音がした。
「えっ?」
割れた音とともにさっきまでにらみ合っていたふたりがその場に倒れていた。
双子も羽場咲もピンクの髪の子も全員が眠っていた。
何故か私だけ眠くない。
どうしたんだこれ……
とりあえず倒れている雨璃を今の内に家に帰らせておこうかと思いゆっくり歩き出すと、
誰かが来た。
「誰?」




