41話 なぜ逃げる?
41話 「なぜ逃げる?」
「よし、雨璃に連絡して……」
「何しようとしてるの?殺すよ?」
「なんでよ!こっちも忙しいんだから早くしてよね!」
「むり。」
「あんたねぇ……」
私がLightで雨璃に文章を送った後ピンクの髪の子は逃げる体制をとっていた。
「いい加減にしてよ。あんたのために時間を割くわけにはいかないのよ。」
「お姉さん、さっきの殺すよ?っていうのはマジだからね。」
「出来るものならやってみなさいよ。」
「今は無理」
「今やれとは言ってないわよ。」
ため息をついて近くのブランコに座った。
「あんた何者?」
「私は親を亡くしている。親戚の三つ編みばぁーさんに拾ってもらったけどその人といるのが嫌になったから逃げてる。そのうち主人となる人ができたらその人につくす。」
「へー。名前は?」
「リア」
「リアちゃんね。大人しくここにいなさい。」
「嫌。」
生意気……。
しばらく黙っていると、遠くから足音がした。
パカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカ絶対に雨璃達だ。
「いたー!」
「ちっ」
「ちょっあんた!」
「お姉さん。バイバイ。」
リアはトイレの屋根を登りそのまま隣の家の屋根を走って逃げていった。
「ムカつく。」
「空流!リアちゃんは!」
「逃げてったわよ。ねえ雨璃、捕まりそうにないから諦めてくれない?」
「……うん……。真理さんごめんな……もういねぇ!」
「さ、早く行くわよ。」
「あっうん!」
なんか焦ったし。
あの人……真理さんがいたらまた時間がかかったはず。
次は絶対手放さない。
「空流。」
「なによ。むっ!?」
「顔が硬いよ。もっとニッコリしたら可愛いのに。」
「はぁ!?」
咲はこんなところに惚れたのかしら。
少しわかるような……いやいやいやいやわからないから!全然共感とかしないから!
「はっ早く行くわよ!」
「へーい。」
私達は何事もなく歩いていた。
いや何事もなくはおかしいか。
確かに災難な事?はあったし。
「雨璃、東雲家に行くんだけど……?」
雨璃が突然倒れるまでは。




