40話 厄介な出会い 3回
40話 「厄介な出会い 3回」
「遅すぎ、もっと早くに来て」
「ちゃんと時間通りに来たんですけど!?」
こいつは雨璃。私の今回の探索パートナー。
「まずは東雲家に行きましょう。」
「うん。」
駅からだいぶ離れたところにある 豪邸に向かっていた。
ん?馬?
「よーそこの嬢さん達。近くにピンクの髪の子見いひんかったか?」
『こ……この関西弁は!?』
「ふたりして同じリアクションするなや……で、それはうちにあった時の挨拶か?」
昨日公園に来た白馬に乗った関西人!
偶然であえてラッキー!
「そのぱっつんの子はわかるんやけど隣のあんた、会ったことないのになんでうちのこと知った感じなん?何?さっきのはノリの挨拶?息ぴったりやなー。」
私は雨璃を睨む。
汗ダクダクだし……。
「あんたらはどこいくん?暇やったら付き合ってくれへんか?」
「暇じゃな……」
「私が一緒に探します!空流、予定変更だ!それぞれ別行動で、空流はなにか発見できたらLightで知らせてくれ!私もそうするから!」
「ちょっと!勝手に予定を変更しないでよ!大体、あなたがそんなことする必要は!」
「困ってたら助ける。これ大事。」
雨璃は白馬に一緒に乗ってどこかへ言ってしまった。
「あのバカ!」
心の中であいつを踏んだり蹴ったりしていた。
雨璃はただ私についてくればいい。
余計な事はしなくていい。
私の思い通りになればそれでいい。
×××××
「あら、エリア。」
「あら、イリア様。」
『あそこに京子様がいるわ』
厄介なのにまた会ってしまった。
「イリアエリア。お久しぶり。」
『お久しぶりです。京子様、なぜここに?あなたはこの地域には来ては行けないはず。』
「私はただあいつを使って研究を進めたいだけ。」
『それじゃあマリア様がお怒りに……』
「あんな子供を見捨てた母親に怒られる筋合いはないわね。」
『でもアリア様が……。』
「大丈夫よ。その件のために今あいつと東雲家に向かっていたんだから。」
『そうですか……』
「あななたちどうせ家に戻るんだったら連れてってよ。」
『いやそれが……アリア様がさらわれてしまって……』
「はぁ!?」
『誰かはわかりません。しかしなるべく会わないようにしてください。さらわれる前からアリア様から異常を感じます。』
「くっ……仕方ないわね。」
『では、』
双子は屋根を飛び越えて消えていった。
「早くしなさいよ雨璃のやつ。」
近くの公園のトイレの壁を蹴っていたところに声がした。
「お姉さん。やめて、気付かれる。」
その声の主はピンクの色の髪だった。




