33話 私なりに
33話 「私なりに」
紙袋を渡されたものの着替える暇がなかったので上着だけ羽織ることにした。
「着きやしたよ。」
「せんきゅ」
さっきのトイレの前であいつらは咲を殴ったり蹴ったりしていた。
「女装男子だから女装させてやったのに全然似合わねーな!」
「そんなんで舞夜や空流とつるんでんじゃねーよ!」
ひどい噂を流され信じているやつに殴られる。
こんなのおかしいだろ。
「君達。」
「ああん?ってはぁ!?白馬!?」
「女子を傷つけるとは最低だな。」
私は白馬と共に不良共に体当たりした。
トイレの壁を突き抜け不良共は気絶していた。
白馬と私は無傷で無事だった。
「大丈夫?」
「あ。はい。えっと……その……なんで私を女の子だって……」
咲が過去の話をしてくれていた時、
彼女は「通りすがりの何でも知っている奴だと思ってくれ」と言われたらしい。
でも、私は私なりに
「お前とは何回もあってるからな!」
と正直に言った。
私は咲を保健室まで運び、真理さんとマリアがいる校門へ向かった。
「おかえりー早かったなー」
「あれ?マリアは?」
「保健室に行ったで、なんかやることがあるんや言うて……」
「そうですか……」
「マリアって子には後で謝らせるから安心し。」
「いや別にそこまで……」
「あの子は自分の勝手な理由であんたを振り回してたんや謝るのが当然やろ。」
「?」
「それじゃあ帰らせてもらうわ。行くでパカパカ」
「え?」
真理さんは白馬に乗った。
「その白馬真理さんのだったんですか!?」
「せやけど知らんかった?」
「はい……」
「ほな、さいなら」
「あっ!さようなら!ありがとうございます!」
また会うことを願いつつ大きく手を振った。
マリアは数分後に戻ってきた。




