25話 不気味なヤツ
25話 「不気味なヤツ」
私が初めて空乃と会ったときは不気味な笑顔でよろしくと言われた。
彼女は仲良くなりたいと思った人に会っては不気味に笑うらしい。
「何してるの?」
「あんたが来ないからさー子供と遊んでた!」
「えっと……私を待ってた?確かあなたとは仲が悪かったと思うんだけど……。」
「へ?あの屋上で咲と喧嘩したあんたを慰めたの私じゃーん。覚えてない?」
いやそんな事実はないんだけど……ってこれもしかして……
「私元に戻れてないんじゃ!?」
「は?」
「いやなんでも……」
「……」
マリアはできるって言ってたくせに!あの出来損ない!
「それよりさ私、空流のヤツに何故か追われてるんだわ。」
「え?」
「だから一緒に来て!」
「ちょ!」
空乃は私の腕を無理矢理引っ張る。
この時間軸では彼女と仲がいいって設定なのかな?
「ここまでくれば……」
「ってここどこ!」
私達はいつの間にか知らぬ森にいた。
「空乃!なんでわざわざこんな所に!」
空乃は黙ってそこら辺に落ちている木の枝を手に取る。
「ごめんだけど返答しだいであなたを殺すから。」
空乃は先程までの笑顔を消し、木の枝を刀に変えていた。
マリア、後で絶対ぶん殴る……!




