24話 マリア ②
24話 「マリア②」
「いやいや私は何度でも会いに行くぞ?」
「へっ?!」
顔をおろすと目の前にはマリアがいた。
「すまないな。いろいろ混乱させてしまって……なんせ私は出来損ないの時間軸管理人じゃから……。」
「やっぱり!そんな感じだと思ってた!良かったぁ捕獲されてなくて……。」
「捕獲は1度されたが、あんなものすぐ抜け出せたわ。」
「ははっ!相変わらずねマリア。」
「なーに?何かあったのかお前さん?」
「え?何かって知らないの?」
「知らんわ。」
「じゃあ1から説明するわね。」
マリアはずっと私の話を聞いてくれていた。
「なるほどな。ではお前さんは元の時間軸に戻りたいと?」
「そうよ。」
「なら任せたまえ!そんなものお易い御用じゃ!」
「フラグ立ちまくってるわよ……」
「フラグ?」
「何でもない。とりあえず急ぎましょう。」
「そうじゃな。」
マリアは離れろと言い、バス停の椅子に不思議な穴を作った。
「出来損ないと言えど、これくらいはできる。さぁ入れ。」
「戻れるの?あの日に?」
「もちろん。」
私は恐る恐る入ったと思えばすぐ吸い込まれた。
マリアは笑顔で手を振っていた……
「ん、むぐっ……」
しばらくすると私は自分の部屋にいた。
「朝か?今何時だ?」
私は買え替えた方のケータイを取り出して時間を見た。
「7月24日……土曜日……!これは夏休みが始まった日!?」
「あらおはよう。あーちゃん。」
「お!びっくりした!」
母が洗濯物を干しに来ていた。
「ふふっ。朝ごはんできてるから食べておいで。」
「う、うん。」
ケータイを片手に持ちリビングへ向かう。
机の上には朝ごはんが並べられていた。
私は食べながらLightを開ける。
「東雲は入ってない……。友達は0か……。」
現実を見るとすごく胸が苦しい。
そう。私はまだ仲直りしていないんだ。
食器を片付けて歯を磨き着替える。
「あーちゃん!買い物行ってくるね!」
母はせっせと出ていった。
私はカギを閉めて近くの公園にでかけた。
ベンチにおじさんはいなくて珍しく子供でごった返していた。
「ねーちゃん!ねーちゃん!次は僕!」
「ちょっと待ってねー。」
ベンチには女の子が座っていた。
いや、この女の子見たことあるぞ?
「あっ」
「えっ」
子供の中をくぐり抜けた先には
空乃舞夜がいた。
「待ってたよ……なんつって」
彼女は不気味に笑っていた。




