203話 「そりゃタブレットですからね。」
203話 「そりゃタブレットですからね。」
距離的には短いはずの廊下が果てしなく長く感じる。
私はあの時どうすれば良かった?
2人を助けることだって……出来たはず。
『出来ませんよ。』
あ、出来ないの?じゃあ、これからどうすればいいの。
『文化祭を成功させるんです。』
んな事言ったってさ、まだ夏休みすら始まってねぇんだぞ?
『ならば、夏休みを早めればいいんです。明日からでどうでしょう?』
正気か!?
『期間は例年通り。そうすれば夏の終わりに文化祭を開催することが出来ます。』
どうやって早めるんだよ。無理だろ。
『校長先生に言いに行きましょう。』
ひたすら土下座するってか?
まぁ……開催時期をどうするかは置いといて……
参加してくれるヤツらはどうするんだ?
『未来に行って帰ってきたのにも関わらずその時の記憶がないあの人達を誘うのは厳しいですけど、まだ他の生徒がいるでしょう。あなたなら誘えるはずです。』
何を根拠にそんなことを……まぁ……頑張ってはみるけど……
『良かったです。では、校長室に行ってください……そして充電お願いします。では。』
アイはマフラーに変わった。
充電?もしかして普通にタブレットの充電残量が少ないのか?
とりあえず校長室を探そう。えっと……どこだっけ?
ぼかん
何かが爆発する音がした。
近くの窓から外を見ると煙と火が出た校舎が見えた。
やばい、アイが短冊を持っていてタブレットと共にマフラーになったのだとしたら……燃えれば2人が……
考えている暇はない。とにかく私は出口に向かって走り始めた。
出口ってどこ……
炎は広がり近くの校舎に燃え移っていた。
私は人生が終わると思った。
最後まで情けない馬鹿だった……………………
「何してんの。」
後ろを振り返った瞬間体を持ち上げられた。
「校長室に行くんだろ?私も用事があったから、一緒に行こう。」
キリッとしていそうでどこか死んでいる顔をした彼女は炎に向かって走り出した。
「何してんだよ!!!!!おい!!!!!!!」
「私は山野涼。よろしく。」
「誰だよ!!あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ぶん投げられた私は今度こそ全てを諦めた
つもりだった。
「よく見ろよ。燃えてねぇだろ。」
更新ができない日が増えてしまっていて申し訳ございません。なるべく更新するよう頑張ります。よろしくお願いします。




