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20話 虚しい。
20話 「虚しい。」
あの日からたいぶ経ち進路が決まり、
私達は卒業式を迎えていた。
「はいチーズ」
右から空乃、私、空流
3人で写真を撮っていた。
「これは一生大切にするわ!ね?京子。」
空流は頷くだけだった。
「咲人!行こ!」
空乃は私の腕を引っ張り学校の外に出た。
空流も追いかける。
近くの公園のベンチに座ると空乃は言い出した。
「高校同じとこじゃん?だからさクラス違くても仲良くして欲しいなぁって……」
追いついた空流も激しく頷く。
「いいよね」
私はうんと言いたかったが、
どうしても言えなかった。
私は2人を騙しているんだから
このまま騙し続けるわけにはいかな……
「よーし!決まり!」
空乃はベンチを倒す勢いで立ち上がり私に向かって微笑んだ。
「これからもよろしく!」
でも空乃と話す事はそれ以来なかった……。
理由はあいつにあったからだ。




