100話 暗号
100話になりました。
ここまで続けられたのも読者の皆様のおかげです。
ありがとうございます。
100話 「暗号」
家に着いた私はゆっくりと扉を開ける。
「おかえり、あーちゃん。」
久しぶりに聞くその声が脳に響き渡る。
「マリアっていうやつから家に戻ったら、自分の家に行けと言われた。」
「どうぞお好きに。」
母は台所に消えてしまった。
階段をあがるとき、ふと何かを思い出したかのように服のポケットをさぐった。
【けりわたきぐちーれるい】
と書かれた小さな紙。
これは空乃からもらったものだ。
いったいこれが何の役に立つっていうんだろう,,,,,,。
部屋の机には一つのケータイが置かれていた。
「なんだこれ。」
電源をつけるとパスワードなしでホーム画面に移動した。
アプリはLightしか入っていなかった。
Light?
昔あの二人にさんざん悪口をかかれ,,,,,,。
私は紙を取り出して
シャーペンを手に取った。
ケータイをまず抜き出す。
【りわきぐちれる】
次は悪口で,,,,,,。
【りれき】
ケータイ・悪口・履歴
Lightを開くとマヤという文字が見えた。
空乃のケータイか、これは。
私と空流と空乃のグループをみるとやはり短い悪口だらけだった。
ため息をつきながらもずっと下に指を動かしていく。
すると一つ関係ない会話が悪口の中にあった。
『母に刀』
『台所』
急いで階段をおりる。
「おかあさん!!」
「あーちゃん。」
母は刀を持っていた。
「それで切って。」
振りかざされた刀が蛍光灯の光が反射してギラリと
いつの間にか私は
真っ二つに切られていた。
「また会いましょう、あーちゃん。」
ブーブーブーブー
「わかってるって、起きるから,,,,,,っては!?」




