表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

5

2014年のホラーに参加して未完成で終わってたものです。今年こそは夏の間に完結したいと思います。ホラーと言いつつそんなに怖い話ではありませんが……。

「ちょっと寝るね」


 朝食をお母さんの呑気な話を聞きながら食べたせいだろうか、少し眠気を感じて椅子から立ち上がる。


「寝るって今起きたところでしょ」

「うん。でも眠くて。起きたら草むしり手伝うから」


 眠くてしかたないから、ほんの少しだけ横になろう。

 呆れ顔のお母さんをキッチンに残し、私は自分の部屋へ向かった。


「あれ、こっちの方が涼しい?」


 階段を登り部屋へと続く狭い廊下、一回より涼しい気がして首を傾げる。

 二階にはクーラーは付いていない。そもそもドアは閉まっているのだから風が通っているわけでもない。


「気のせい? キッチン暑かったし」


 何となく怖くて、自分に言い聞かせる様に呟き部屋のドアを開けた。


「え、どうして」


 へなへなと、部屋の入り口に座り込む。

 叫ぶ気力も、立ち上がる力も出なかった。


「だって、燃やした筈。確かに火がついて」


 火がついたのは確認した。

 仮に燃えていなかったとして、どうやってここに?


「いや、なんで」


 テーブルの上に古ぼけた櫛があった。

 古ぼけて半分になった、でも焼け焦げた跡は無い。


「なん、で」


 テーブルの下の濡れような跡に気がついて、私は意識を失った。


 怖い、怖い、怖い。

 夢の中の、あの足音が近付いている、そんな気がして仕方なかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ