【3】 -警護騎士シンハ、殺人教団の首魁ジャイラダと邂逅す。-■02■
■02■
「何だい、これっポッチかいっ?」
「すいやせん…。」
「今回は貴族が少ないモンで…。」
手下の一人が何やら書類を差し出すと、ジャイラダは乱暴に署名する。
「選別は済んだんだろうね…?」
「へい、もう区分けして檻に入れてあります。
明日には、ピサルプルへ移送できます。」
サインを終えると、ジャイラダは再び馬肉を喰らう。
焦げた香りと甘い脂が彼女の舌を湿らし、馬肉の淡泊だが弾力のある味が彼女の口の中で踊る。
事を済ませた書類を素早く片付け、手下は酒の入った瓶を彼女の盃へ薦めた。
流れる様に彼女は杯で酒を受け取って、一気に中身を全て煽った。
「そう言えば…、あの男は?
警護していた兵士、おそらく武人の隊長が居ただろう?」
「へい、確かに…、人質枠に入れてあります。」
「アイツは良い人材だねぇ、ぜひ仲間にしたいっ。」
ジャイラダはそう言うと、指に垂れた馬油を舐める。
そして、大仰に両手で膝を打ち、立ち上がった。
「隷属の魔法で隷属させようじゃないかっ。
アイツに会って、話がしたいっ!!
ルドラは?
アイツもつれて行くっ。」
「どこに居るんだいっ?」
「ルドラの奴は、おそらく贄の処理をしている筈です。」
「何だいっ、まだやってるのかいっ?
まったく…、トロい男だねぇ…っ。
じゃあ、ルドラは後でイイっ。
まずは、あの男と話をしてみようじゃないかっ」
そう言うと、ジャイラダは豊満な身体を揺らしつつ、宴の輪から外れて歩き出した。




