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【2】 -警護騎士シンハ、殺人教団と応敵す。- ■08■

ヴァイラの体毛を鷲掴みにすると、ぐいっとシンハは背中を駆けあがった。

最初に攻撃を仕掛けたヴァイラが、もう一体のヴァイラの背中に張り付いたシンハの動きを追う。

そして、彼を叩き潰そうと張り手を繰り出す。


シンハはヴァイラの毛を両手で握って身を縮め、両足でヴァイラの背中を蹴り上げた。

ぐいんっとシンハは、ヴァイラの背中の上で逆立ちするような体勢となる。


がら空きになったヴァイラの背中に、もう一体からの強烈な張り手が直撃する。

殴打されたヴァイラは驚愕と困惑の叫びをあげ、その巨体は前のめりに吹き飛ばされた。

同時にシンハも一緒に吹き飛ばされ、勢いよく地面へと叩き落される。


「ぐあっ!?」

「くそっ、最低だ…っ!!」

落下したシンハは、うつ伏せで地面に倒れ込む。

その時、彼は地面に転がっていた剣を掴んだ。

剣を両手で構え、勢いよく立ち上がる。

自分の鼻から、どろりっと血が溢れたが、そんな事に構っている余裕は無かった。


未だ目の前に居るヴァイラは無傷で、ジッとシンハの様子を伺っている。

燃える様な紅い眼が、シンハを睨み付け、

3mを超す類人猿の巨体が、ドシンッと足踏みをしてシンハとの間合いを推し量る。


更に、奴に殴られ吹き飛んだもう一体は、シンハの背後で激怒し、空気が震える程の咆哮を上げている。

背中から怒号まじりの咆哮を浴びせられ、

焼け付くような熱い気配と殺気が、シンハの背中を焦がす。


強大な魔物に前後を挟まれ、シンハは死を覚悟した。

じりじりと焼け付くような緊張感が、ヴァイラ達とシンハの間に充満してゆく。


「オイッ!…おいっ!!」


緊張が極限へと達しようとした時、不意にシンハの横から声をかけられた。

戦いに集中していたシンハには、自分に向けられたその声が聞こえない。


すると、シンハの側頭部を巨大な何かがぶち当たった。

不意に喰らった衝撃に、シンハの体はその場に意識を残して吹き飛ばされる。


「なぁにっ、無視してやがるんだぁっ!!」


ジャイラダは中年女の魅惑的な巨体から、ドロップキックを繰り出してシンハへと浴びせた。

シンハの兜が凹むほどにクリーンヒットして、彼は地面へと倒れ込む。

ドシンッと、彼の上へ彼女の肢体が折り重なる。


「ほらほらっ!!全員殺すなよっ!!」

「死なない程度に痛めつけろっ!!」

「さっさっとしなっ、このグズどもっ!!」


何食わぬ顔で立ち上がり、ジャイラダは部下達へ声を張り上げた。

幅広剣を振るいつつ、他のザジー教徒達へ指示を飛ばし、彼女はテキパキと残務処理を行う。

戦いはジャイラダとザジー教徒達が勝利し、カーティク商会の旅団は彼らに捕縛された。


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