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第六章 レッツパーティー 三話

 「まあ食ってみろよ。期待は裏切るけどな」


 奏根は自信満々な様子で胸を張る。


 全員が白いソースがかけられている、豆腐にナイフを入れると、なんと、クリームの様な液体が豆腐の中に注入されていたのだ。


 「うわっ! 何これ⁉」


 「良いから食ってみろ」


 理亜がその料理に驚愕すると、奏根がニマニマしながら言う。


 「これはまた! なんと美味な!」


 「ほおー。美味いなこれは」


 高貴が口元を抑え、頬を紅潮させながら感動していた。


 豪真も参った、見たいな表情で奏根の料理を称賛する。


 「それはすりつぶした木綿豆腐と生クリーム、溶かしたバター、塩コショウを混ぜ合わせ、最後に鶏肉をベースにしたブイヨンと絹豆腐を混ぜ合わせ、型を使って豆腐の形に整えて、中にすりつぶして混ぜた特性豆腐を注入して、冷蔵庫で三日寝かせた後に、最後はバーナーで表面をあぶって、甘く仕上げたクリームソースを上からかければ完成なんだ」


 「へえー。凄いこってるね。もしかして事前に三日前から用意してたの?」


 「家族の分だけど、今回は特別に提供したってわけだ。ありがたく食えよ」


 奏根の優しさに、皆が、「おー」と脱帽したかのように口にする。


 奏根は照れたのか、頬をやや紅潮させながら顔を横に逸らす。


 オリジナル豆腐を食べてみると、濃厚な味わいに、とろーりとした歯ごたえ。噛む間もなく、口の中で自然ととろけるのだ。


 そして、一同は食べ終えると、満足と言った様子だった。


 「この後は、リンゴタルト食うからな」


 「それは美味そうだな」


 奏根がぶっきらぼうにそう言うと、豪真が楽しみにしているかのような表情をする。


 全員が同じ気持ちだった。


 「どう理亜ちゃん? 奏根ちゃんにも良い所あるしょ? ああ見えて、将来、良いお嫁さんになるかもだよ」


 奏根がキッチンに着く頃に、智古がひそひそ話でもするかのように言う。


 「確かに良い一面はあるけど、お嫁さんはどうだろう。尻に敷かれっぱなしのご主人、嫌気がさして離婚するかもだよ」


 ニヤリとした悪だくみした様な笑みで小声で智古にそう言う理亜。


 「お前はデザートに、カタツムリのムニエルでも食わせたろか?」


 少し関西弁みたいな方言でキレ気味にリンゴタルトをテーブルに持ってくる奏根。


 「ごめんてば! て言うか、その昆虫シリーズ料理止めてよ! てかムニエルってデザートじゃないし!」


 コントの様なやり取りに、全員は爆笑するだった。


 そして、リンゴタルトを食べ終えると、全員で人生ゲームをする事に。


 「おい監督! ビリの俺に仕返ししてどうすんだよ!」


 「ハハハッ! 残念だったな。私は確実にビリにする相手は用意しておくのがモットーなんだ。これで私がビリになる確率は格段に減った」


 豪真は、非道にも、最下位の奏根から借金させてまで、十万円を奪った。


 頭を抱え、うわー、と叫びたくなるようなリアクションをする奏根。


 豪真は悪代官みたいな表情で哄笑する。


 全員は腹を抱えて笑うのだった。


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