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第三章 懐かしい感覚を置き去りにして 五話

 「ホラホラ、喧嘩はその辺まで。試合始める前に軽い自己紹介からするよ」


 お姉さん口調でボブヘアーの可愛い系の女子が割って間に入り、仲裁する。


 「じゃあまずは私から、私は(らく)(らい)()(ふる)よ。趣味は昆虫採取やキャンプをする事。言わばアウトドア派だね。宜しくね」


 ボブヘアーの可愛い系の女子、()(ふる)は幼い感じに見えるのに、妙にお姉さん感のある不思議な感じの人だった。


 「じゃあ次はわたくしですね。()(とう)(こう)()です。趣味は体を張ったバラエティー番組を見る事ですの。出来るだけ品の無い芸が大好物です」


 両手を平たく重ね、緩んだ頬を支えるような仕草を取るカチューシャヘアーの高貴。


 理亜は高貴のちょっとしたギャップに興味を抱いたが、今はスルーした。


 「つ、次は私ですね。る、(るい)()()()って言います。よ、よろしくお願いします」


 前髪で目が隠れた小柄な女子はおどおどしながらそう喋る。


 「加奈ちゃんは同人誌や小説を書いてるのよ。書籍化した事もあるぐらいだから」


 「へえー。凄いね」


 智古が笑顔で補足説明すると、理亜は好奇心に駆られたかの様に感嘆の声を上げる。


 「えへへへっ。こ、今度出来れば、理亜ちゃんをモデルにした同人誌描いても良い?」


 「うん。いいよ」


 おどおどしながらも照れていた加奈だが、妙に母性をくすぐる物があった。


 理亜は二つ返事で了承する。


 「じゃあ、最後。ほらキャプテン。びしっと決めて」


 「ふん。(てき)(じょう)(そう)()だ」


 高貴が話を振ると、奏根はふてくされた表情で名前だけ口にする。


 「ちなみに奏根ちゃんは意外な事に料理が上手いの。プロ顔負けなんだから」


 「えっ!」


 「くそ。その驚き方、腹立つぜ」


 智古がこっそり理亜に耳打ちすると、理亜は意外な分野に一驚する。


 奏根はろくな話をしていない感じに見えたのか、癇に障っていた。


 「私は審判の(うち)()と申します。今日はよろしくお願いします」


 審判役の内田が礼儀良く自己紹介する。黒と白のしましま模様のTシャツを着て、如何にも審判役に見える風貌。


 「はい。よろしくお願いします。あ、そうだった。私の自己紹介がまだだったね。私は――」


 「さーて。さっさっとぶち負かして帰るぞー」


 「ちょっと!」


 奏根がだるそうな感じで棒読みで理亜に聞こえるように言いながらコートの中央に向かう。


 理亜は腹が立ち、ツッコむ。


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