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第二章 暗殺者の悩み 四話

 理亜は学校に行く支度を済ませ、午前、七時四十分に家を出ようと玄関まで車椅子で移動する。


 「じゃあ行ってくるね」


 「気を付けて行くんだよ」


 理亜が元気よく家を出ようとしたその時、郁美が玄関まで見送ってくれた。


 車椅子のハンドリムを握りながら、器用に扉を開けアパートを出ようとする。


 郁美は毎日一人でいけるか心配になり、気が気ではなかった。


 学校まで送ろうとしても、理亜が自分の手で学校に行きたい、と言うので、助力できなかったのだ。


 「姉ちゃん。途中まで送ろうか?」


 「いいよ。明人だって学校あるでしょ。早くしないと彼女が怒っちゃうよ」


 明人が部屋から駆け足で玄関に着くと、理亜にそう言うが、理亜は自然に返しながらも、最後は意地悪そうな笑みで、明人を弄る。


 「だから居ないって」


 明人は少し慌てながら否定する。


 理亜と郁美は、そんな明人を見て微笑していた。


 「理亜ちゃん!」


 「あれ? 文音ちゃん⁉」


 玄関を出てすぐ、理亜の同級生である、()(しろ)(あや)()が元気いっぱいな様子で姿を現す。


 茶髪のロングヘアーで、上品な顔立ちをしている。


 ちなみに、文音は理亜がバスケットボールのキャプテンを務めていた時には、副キャプテンをしていて、理亜が引退した時には、キャプテンを務めている。


 理亜は突然の大親友の登場に驚く。


 「おはよう。――てっ、理亜ちゃん……足⁉」


 そこで、文音はブレザー姿の、理亜の右足に、何となく目を向けると、靴が履かれていて、スカートから出ている素肌に目をギョッとさせ、驚愕する。


 「ああこれ。実は昨日、義足付けて貰ったんだ。詳しい事は歩きながら説明するね」


 理亜は自分の右足を見ながら流暢に語る。


 「やったわね理亜ちゃん!」


 文音は嬉しすぎるあまり、居てもたっても居れない感じで、理亜に飛びつき、強く抱きしめる。


 その眼には大粒の涙が流れていた。


 「うん。ありがとう」


 理亜は慈しむ様に、文音の頭を撫でて、感謝の言葉を口にする。


 そして、二人は砂川高校に向かって行く。


 理亜は、義足を付けて貰った事の軽油を文音に説明していた。


 「へえ。随分変わったお医者さん? に出会ったのね」


 「うん。最初は変人だと思ったけど、話していく内に、人情身ある人だったよ」


 文音は豪真が医者なのか半信半疑みたいなイメージしかなかった。


 ただ、理亜に義足を無料で付けてくれた豪真には、感謝してもしきれない思いでもある。


 「そうだ理亜ちゃん。お祝いも兼ねて、今度、スイーツでも食べに行かない? おごるわよ……クラスの皆が」


 「なんか申し訳ないな。て、文音ちゃんおごるんじゃないんかーい」


 文音のボケに、のりつっこみする理亜。


 二人は笑いながら会話を続ける。


 「とにかく今度、スイーツ食べに行きましょう。なんたって砂川はスイーツロードなんだから」


 「うん、そうだね。それにしても文音ちゃんのスイーツ好きは相変わらずだね」


 「ええ。もちろん」


 スイーツに目がない文音は目をキラキラさせていた。


 それだけではなく。文音は痩せの大食いでもあり、スイーツだけでなく、食べ物全般好きなのだ。


 活発な面は理亜と似ていた。


ここまでお読みいただき、評価して下さった読者の皆様方、本当にありがとうございます。

また更新しますので、是非ご一読ください。

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