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初心者女子  作者: nim
モデル女子編
42/61

第四十二話  女子の日

黒板を虚ろな目で見るボク、机と同化してるんじゃないかと周りが思うくらい今日のボクはマリッジブルーだ

修学旅行の班決めをしているのだが・・いかんせん朝から下っ腹が痛くて話が入ってこない・・

いわゆる女子の日ってやつだ

病院で初めて経験して以来、ボクの女子の日は不安定だったが、先月から丁度1ヶ月、どうやらボクの身体は完全体女子の周期を覚えたようだ

しかも前回よりキツめの痛み・・

お陰様で授業も身が入らないし、お弁当も残す始末・・腹も減った上にまさかの残業で班決めとは・・

ボクに喧嘩を売ってるとしか思えない


ボクが机に這いつくばって下(しも)に嫌な感触を感じたところで、イライラなボクに同意を求める声が掛かる


「松元さん?これでいいかな?松本さんの班だけ・・」


とクラスの学級委員男子がいいかけたところで、ボクはギロッと黒板の前に立つ男子を見て言ってやる


「オッケー・・モウマンタイ・・無問題・・腹立つからちょっと静かにしててくれるかな?怒ってないよ?ただちょっと腹が立つから・・もう話しかけないで・・!」


そう言ってボクはまた机に這いつくばってやる

その間にもまた嫌な感触がして思わずお腹に手を当ててしまうボク

それを見計らったかのように、学級委員男子がまたボクに話しかけてくる


「松元さんは校長先生の計らいもあって部屋が・・」


そう言いかけたところでボクは最大級の睨みを効かせて黒板男子に言ってやった


「あのね・・?ボク怒ってないけど言わせて?そんなのみんなと同じでいいからもう黙れ・・?次はないぞ・・?ボクは今とっても気分が良くないんだ・・?ボクの理性が少しでも残っているうちに早く話し合いを終わらせて・・?わかったな・・?」


それだけ言ってボクは机に這いつくばって遠いお空の雲を数えだす


ふふ・・雲が羊に見えるぞ・・


羊が一匹・・羊が二匹・・羊が・・


そんな幻覚羊を数えているといつの間にかボクの視界に覗き込むリキの顔が見え思わず口走ってしまうボク


「ボクのリキ君だ・・相変わらずカッコいいねぇ・・ハグしてほしいのかな・・?ってあれ・・?」


ふと現実に引き戻され、慌てて身を起こすボク

それを見てるリキは真剣な顔でボクに言う


「千秋さん、保健室行こう、オレ連れてくから、立てるか?」


保健室に連れ込んで何をするつもりか・・とかほんのちょっぴり思ったが、ボクは大人しくリキに従うことにした

席を立ち歩こうとするが身体が重い・・


くそったれめぇ!

毎月このザマじゃまともに生活も仕事もできねぇじゃねぇか!

おのれ・・

身体だけ完全体女子に目覚めやがってぇ!

治まったらうまし棒の刑に処してやるからな!

そう思った瞬間、また嫌な感触がボクの下を襲うと同時に目の前がグニャリと湾曲してよろけそうになってしまうボク

慌ててリキが支えてくれ、それを見てた紗良も手を貸してくれた


「ちょっと・・大丈夫?千秋結構重い方だね、貧血でしょ?今日まともにご飯も食べてないし・・ほら、保健室行くよ、帰りはおばさんにでも迎えに来てもらえるように連絡しとくから」


いつもより1万倍優しい対応の紗良、その対応にボクは紗良が今日だけ女神に見えたが、とりあえずふらふらするのでボクは二人に連れられ保健室へと向かった



保健室につくとボクはなだれ込むようにベッドに横になった

保険の先生が居なくて紗良は職員室まで呼びに出ていってしまう

静かな保健室・・ボクとリキは二人きりに・・

暫くしてボクはリキに話し掛けることにした


「リキ君ありがとう、よくボクの体調不良わかったね・・?」


それを聞いたリキは少し笑っていたが、咳払いをするとボクに話す


「そりゃ一日中机にへばりついてりゃ誰でもわかる、それに千秋さん機嫌悪いだろ?女子の日だってすぐわかっちまうよ?ウチの姉ちゃんもすこぶる機嫌悪くなるからな!」


すこぶる・・

ボクそんなに機嫌が悪かったかな・・?

ちょっと話し掛けられてイラッとして、また話し掛けられたからプチっとしただけだぞ?

多分ボクは悪くない・・悪いのはあの男子とボクの女子な身体だ・・そう・・ボクのせいではない!


そんな事を考えたせいなのか、また少しイラッとするボクだったが、リキの行動でその苛立ちは飛んでいってしまった


「ほら、とりあえず毛布な、腹温めると和らぐらしいぞ?腹巻きとか毛糸のパンツも良いって姉ちゃん言ってたな・・」


ボクよりも女子の日の対策に詳しいリキにホントは女子じゃねぇのか?

と普段なら思わない事を思ってしまい、勝手にリキの服の下から胸をまさぐり出すボク


ふむ・・やはり出てないな・・

ボクの胸とは雲泥の差じゃないか・・

それにしても・・

何したらこんなに硬くなるものなのか・・

とくにこの盛り上がりが・・


とボクのまさぐりにリキがビクッと動くのを感じ、視線をリキの方へと向けるとリキが話し始めた


「千秋さん・・その・・あんまり触られるとまずいと言うか・・いや・・良いんだけど・・良くないかも・・」


訳のわからないことを言ってるリキ、ふとなにかボクの肘に当たる硬いものに気付きボクは視線を下に移した


あ・・リキのリキが・・

ボクの肘の置き場になってるじゃん・・

やだ・・テント通り越してコテージになっちゃってるし・・

もしかして・・ボクが胸触ったせい・・?

ヤバいヤバいヤバいヤバい!!

怒りで我を忘れる前に鎮めないと・・!


ボクはその光景に慌ててしまって脳内が女子の日の痛みと焦りとで上手く機能せず、火に油を注ぐ一言を発してしまう


「あの!あの・・!ボクのも触る??」


ボクの顔が無意識に青ざめていくのがわかる


駄目だって・・それは・・リキは健全な男子だぞ・・?

ボクがとどめの一撃で誘ってどうする・・?

心の準備が・・リキなら少しだけならいいけど・・今は・・・


慌てふためくボクに、スッとリキの手が伸びてくる、とっさにボクは目を瞑り自ら引き起こした事態に備えて身構えた

その瞬間、ポンっとボクの頭に手の温もりが伝わってくる

ワシャワシャとボクを撫でるとリキが言う


「悪かった・・オレ千秋さん好きだからさ、勝手に反応しちまって・・ホントにすまん!でも大事に思ってるから・・千秋さん身体大切にして」


まさかの展開にビックリなボク、神対応なリキにボクはウルウルと瞳を滲ませる


健全な男子が・・

思いとどまっただと!?

何という大人なリキ!

ハッキリと好きだとボクに言うのもやはりポイントが高いぞ!

これはそろそろボクも真剣にお付き合いを考えてやらなきゃいけないのでは・・

宙ぶらりんではリキが可愛そうかも・・


脳内で半完全体女子思考のボクが好きの返事をしろと騒ぎ立てる

ボクは潤んだ瞳をリキに向けてやり元男子の・・女子の度胸をみせてやった


「ボクも好きだよ・・ちゃんとボクの言い付け守ってくれてるもんね・・ボクはそんな男気のあるリキ君に惚れたよ・・こんなボクで良ければ・・彼・・・」


と言いかけたところで保健室のドアが開き紗良が戻ってきた

ボクの姿を見て引き気味で話しだした


「ちょっと・・なにしてんのあんた達・・リキ君もシャツ乱れ過ぎでしょ・・千秋もなんで潤んでるの・・?まさか・・ここで?」


変な疑いをしている紗良に慌てたリキが弁解を始めた


「いやいや!何もしてない!頭撫でたら落ち着くと思って撫でてただけだ!シャツは撫でてたら暑くなったから!めくったの!」


紗良は暫く疑いの眼をボクとリキに向けていたが、納得したのかいつもの表情に戻ってボクに言った


「まぁそういう事にしといてあげるわ・・

千秋にはまだ早そうだし?た(・)ま(・)た(・)ま(・)そう見えただけだね!」


目ざとい女帝め・・やはり疑ってやがるな・・

なにも強調しなくても・・

だがこれだけは言わせてもらおう!

女帝・・間違ってるぞ・・たまたまではない!

あれは金斗雲(きんとうん)に乗る如意棒だ・・

そこにこのボクが丁度良く相席しただけ・・

疑うだけ無駄だったな!

これは事故なのだよ・・たまたまだからな・・!


危ない例え話にボクが勝ち誇った笑みを出したところで紗良がボクに言う


「そうそう、保険の先生今日出張で一日居なかったんだって、だからさっき千秋のおばさんに迎えに来てもらえるように連絡しといたから」


たまたまの展開でボクの女の度胸を見せた告白にまで発展してしまったこの状況

紗良の登場で疑いと共にサラッとどこかに流れてしまったが何故か内心ホッとするボク

このあとボクは迎えにきたお母さんの運転する車で肘の感触に何故か悶々としながら自宅に戻ったのであった




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