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初心者女子  作者: nim
吸収期女子編
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第十話  ツレは友達

「落ち着いたかよ?姉ちゃん?」


困り顔の智秋とツレの男子

涙も落ち着き、ボクの気持ちも通常に戻ってきた


「うん、大丈夫、ゴメンね?取り乱して女子の人生の分かれ目の場だったから・・」


と言ってボクは俯く、智秋と男子は何故か首をかしげて更に困った顔をしていた


「分かれ目って・・言い過ぎでしょ?それ沙良に吹き込まれたんだろ?たくっ!姉ちゃんに変なこと教えんなっての・・!沙良の奴!」


何が言い過ぎなのか首をかしげるボク

かしげたついでにボクと目があった男子が話しだした


「す・・すいませんでした!!その・・千秋ってドアに書いてあったからつい開けてしまって・・昔よく遊んだ智秋の兄妹だと思って・・智秋にお姉さんが居たとは知りませんでした」


昔よく遊んだ?

えっ?マジ?

そういえば、小学校から中2までボクが倒れるまでよく3人でつるんでた奴いたわ・・

アイツにクリソツじゃん!

てか本人じゃね?

確か名前は・・・長野リキ(ちょうのりき)

その瞬間、脳裏に最悪の事態を思い浮かべてしまうボク


ヤバい、コイツはボクが本人だと知らないんだ・・!

もし男だったボクが女子になったことがバレたら・・・

脅されて絶対スケベなことをするに違いない・・!!

怖いよぅ・・

ボクは悪くないのに・・

生涯奴隷なんて・・

あんまりだ・・・

そんな恐怖政治ばりな妄想をしていると、智秋が笑いだして余計なことを話しだす


「何いってんだよリキ?姉ちゃんの名前千秋だぜ?もう忘れたか?小さい時からよく一緒にいただろ?」


その言葉にボクは反応して智秋にヘッドロックをお見舞いしてやる


「ぐえぇ・・!!ぎぶぎぶ!?っぶ!ふぅ・・」


ボクの渾身の一撃でダウン直前の智秋

その顔はどことなく気持ちよさそうだ


兄弟漫才をお披露目してるところでリキの顔がパァッと明るくなりボクに語りかけてきた


「マジか!?ホントに千秋さん?!オレすげー心配してたんスよ、突然居なくなるから気が気じゃなくて、智秋に聞いても教えてくんねぇから、またこうやって会えて嬉しいっス!」


突然ペラペラ話しだしたリキ

「千秋さん」と呼んだのが引っかかるがとりあえず智秋から離れてやってボクは大人しくリキの話を聞いてみる


「実はあの頃から・・オレ・・智秋のお姉さんに近づきたくてずっと一緒につるんでたっス!それにしても妹じゃなくてお姉さんだったとは・・」


勝手に好き好きアピールをしてくるリキ


あの頃から?智秋のお姉さん?

ボクはいつから中学から女子になったんだ?

わけがわからず、もう少しリキの話を聞いてみる


「千秋さんのショートヘア似合い過ぎで!あの時からすげー可愛くて!智秋にお姉さんと付き合わせてくれって何回相談したことか!」


智秋に相談してただと?ボクは知らないぞ??

それにショートヘアが可愛い?

確かに中学の時は髪は短かったが・・あれは男だったからな訳で・・


そんなとんでも勘違いなリキに一言もの申そうと口を開きかけたところで、リキからトドメの一撃を食らうボク


「千秋さん髪伸ばしたんスね!めちゃくちゃ似合ってまス!初め誰だかわからないくらいだったっス!もうオレ我慢できないッス!千秋さん!あの時から好きでした!!ボクと付き合ってください!!」


ふぁあ!重い一発を食らってしまった・・

よろめいて床に崩れ落ちるボク

旧友に当時から女子と間違われてた挙げ句に盛大に女子の自宅で愛の告白だと!?

ボクには・・まだ・・荷が重すぎる・・


そんなボクを見て、智秋が耳打ちをしてきた


「黙っててゴメンな姉ちゃん・・リキの奴中学ん時から姉ちゃんの事、女だって勘違いしててよ・・面白いから放っといたんだよ・・そしたらホントに姉ちゃんが姉ちゃんになっちまうし、リキからは「そろそろ千秋さんに合わせろ!」ってスゲー剣幕で言われるし・・なんかホントにスマン・・」


全てはコイツの仕込んだことが・・

半殺しじゃ生ぬるい、と思ったが勘違いしてるのならボクにとっては好都合、生涯奴隷も回避できる


とりあえず智秋にもボクは初めから女子だったと言うことに口裏を合わせ、ついでにこの愛の告白を見送らせる段取りを智秋と組むと智秋が話しだす


「おいおい、リキ、久々に姉ちゃんにあっていきなりそれかよ?それじゃ女心は動かないと思うぜ?ほら?ムードも大事だろ?おまえ姉ちゃんの下着見といて告白とか最低だぞ?」


腕を組んでウンウンとうなずきながら話す智秋、我が弟ながらナイスアシストだ

すかさずボクも智秋のフォローを始めた


「そうだよリキくん・・突然入ってきてボク怖かったよ?告白はありがたいけど、リキくんはボクの聖域を無断で覗いたんだよ?誰にも見せたことなかったのに・・

ひどいよ・・」


そうリキに言ってやって涙を拭う仕草を演じてやった

それを見てリキもテンションが下がってきたようだ

脳内で万歳をして、小さな千秋ちゃん3人組が手でしっしっとリキを追い払った仕草を見てボクはニヤッと小さくほくそ笑んでやる

その瞬間、リキが床に頭をついてボクに謝る


「本当に自分勝手でごめんなさい!でも千秋さんを想う心は本物です!どうか嫌いにならないで欲しいです!何でもします!チャンスをください!!」


予想に反して痛いほど伝わってくるボクを想う気持ち

なんか少し雲行きが怪しいような・・

と思ったが、リキの勇気とボクを想ってくれている熱意に負けてボクはリキの手を取り語りかける


「もう顔上げて?あのねリキくん、その気持ちボクも嬉しい、でもちょっと受け入れるには時間がかかるかも・・だから何個か直してほしいところあるんだけど・・直してくれたらボクもリキくんのこと考えて上げられるようになると思うんだ」


ボクの言葉にまんまるお目々の智秋とリキ

自分でも絶対言わないと思っていたことをサラッと言ってしまった

ボクの女子の情緒もなかなか育ってきてると思わずにはいられない

自分で自分にビックリしていたが続けてリキに語りかける


「1つは口癖の、〜スを直して?なんか先輩後輩みたいでボクは嫌だよ

2つ目は相手の気持ちも考えられる男になってね、自分勝手な男はボクも好きじゃないし

それから3つ目は、まずは友達から仲良くなろうよ、ボクもリキくんと同じ学校に入ることになってるからそこでなら昔みたいに仲良くなれるかもだね」


ボクの言葉に真剣な眼差しのリキは力強くうなずいて一つ一つ心に刻んでいるように見えた


まさか元友達から告白されるとは・・

人生何があるかわかったもんじゃない


その後ボクは沙良がうちに来るまで3人で久しぶりにつるんで楽しい時間を過ごした



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