彼女と俺
1話 彼女と俺
彼女は言った。
「私のこと嫌いになって」
彼女との出会いは8ヶ月前。駅でオロオロしているところで出会った。
「どこにいきましょう...」
「どうかしましたか?自分ここ地元なんで 良ければ案内しましょうか?」
彼女は少し考えながらこう言った。
「私を嫌いにならないで、、、」
「???」
「ああ、ごめんなさい。独り言です。よ、よろしくお願いします。」
「ではどこに行きたいのですか?」
「わたしにもわからないのです。」
続けて
「なんの当てもなく旅をしていて、ついうとうとしてしまい気づいたらこの駅に」
俺の地元は電車が1時間に一本あるかないかの田舎にある。周りに畑があって人口も少ない。隣のばあちゃんちに子供の頃はよく遊びに行ったな〜。
「なんで旅をしているのですか?」
そう聞こうとした時、彼女が急に「バッ」と顔を上げて
「あなたの思い出の場所はどこですか!?」
俺は急に元気になった彼女に少し驚きつつ自分の思い出の場所を少し考えた。
「小学生の頃みんなで飛び込んだ川か?違うな。中学校の卒業式の後にみんなで行った祭りか?いやいや、今日は祭りじゃないし。」
俺はぶつぶつと考えながていた。ふと彼女の顔を見るとある女性に似ていることに気がついた。それは今まで忘れていた俺の1番の思い出だった。
10年前の夏休み。当時10歳だった俺はいつもみたいに隣のおばあちゃんの家に遊びに行っていた。縁側でおばあちゃんとスイカを食べようとしている時、綺麗な女の人が表の通りを通って行った。
「ばあちゃん。あの人綺麗だね」
「そうだね。綺麗な服を着てお人形さんみたいだね。都会の人じゃないかな。」
「そうなんだ。でもあの人なんか元気がないみたいだよ?」
「都会の人がこんな場所に来るのは何か理由があるんだよ。」
「ふーん、それよりスイカ早く食べよ!」
「わかったよ。そら、たんとお食べ」
「わーい」
その夜俺はその女の人が夢に出てきた。
その女の人は言った
「わたしを嫌いにならないで」
今回初めて小説を書いています。設定などの作りこみもまだまだだと思いますが、今後も頑張っていくのでよろしくお願いします。