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怖いの境界線。  作者: むら。
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黒電話。

電話、家には黒電話がある。今の時代こんな黒電話が自宅にある理由がわからない。ただ、絶対に捨ててはいけないと祖父に言われておりその言いつけを守っている。

毎年8月20日になると祖父は黒電話の前でじっと座り込んでいる。日付が変わるとハァとタメ息を一つ漏らすとその場を離れる。

しかし今年初めて電話が鳴った。祖父はゆっくり受話器に耳を当てると話始めた。

「うん、うん、そうじゃ。ああ-元気じゃ。

ありがとう。ありがとう。」

およそ2〜3分の通話を終えると祖父はもう電話は捨てていいと言うとその翌年に亡くなった。


時は戦火の真っ只中僕には兄貴の様な存在、タケシさんがいた。タケ兄は腹ペコの僕の為にダイコンや芋を盗んで来ては僕に与えてくれた。いつも腹ペコで苦しかったけどタケ兄はいつも明るく元気だった。

しかしある日タケ兄は戦争に徴兵されてしまった。そして戦闘機に乗り込み敵の戦艦へ特攻する任務を言い渡された。

僕はタケ兄を空港で見つけると声の限り叫んだ!

「タケ兄ー!行かないでー!」

タケ兄は僕に気づくと電話を掛ける仕草をして僕に微笑みかけた。それがタケ兄の最後の姿だった。



「もしもし、こうちゃんか?元気か?こうちゃんは俺の大切な弟分だ!いつまでも元気で頑張れよ!」


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