愛するものと一緒にて他(人)のことを考える(時)2
本当にか弱い接続だが、僕は僕の肉体的親と感覚と情報を共有することに、とりあえず成功したが、目的とした外界のネットワークとの接続は、この女の胎からでは難しそうだ。
目を通した映像を認識し、聴覚の同調する。霊子量が少なすぎて、つくれる霊子経路が細いため、通れる情報に限りがありすぎるから、嗅覚、触覚、電磁覚などは無視しておく。
まぁ、それでも驚くべき状況がわかったけど、それは僕を呆れさせるに充分だった。
完全な自然分娩を前提としている様子から、文明程度は古代人レベルなのは予想できていたけれども、技術レイベルに至っては原始人レベルだ。エンジン類は見当たらず、武器の大半は鉄製だ。建築物は天然木と自然石の加工品。銃器類はあるようだが、おそらく硝酸類の大量生産ができないのだろう。まだ少数だ。ただ、驚くべきは「魔法」のようなものを使う存在がいる。
「魔法」の仕掛けはまだわからないが、この僕を受胎したこの女性は「魔神女」という敬称を与えられた魔法使いで、かつ、王妃らしい。
全く呆れた話だが、神話時代の貴種流離抄じゃあるましい・・・。
大変な不満足だが根本構成に対して悩んでいる時間もないので、まず、この王妃の両目、両耳に全精力を傾けたことで、いよいよ、この陥落寸前のこの場所、彼らが「神殿」と呼んでいる、を弄んでいる運命について、いよいよ、呆れ果ててしまった。




