愛するものと一緒にて他(人)のことを考える(時)12
突き刺さった槍に白い虫が絡みつき、僕を殺したつもりで引き抜いた穴から僕もろとも外へと引きずり出した。勿論、王妃の腹にあいた穴は虫を使ってちゃんと閉じてやった。
舌へと戻っていく槍先から落ちた白い塊の中に僕はいた。
胎児だった僕は白い虫たちがあつめにあつめた霊子と爆発的に増え続けている虫たちを取り込んで瞬間的に成長した。
まぁ、公主に踏みつけられて潰されそうになって、はねて避けたけどね。
「なにこれ? 気持ち悪い!」
と、しつこく踏みつけようとするから逃げまくった。
どうやら霊子の量が足りないか、この魔戒の部屋が持っている性質のせいか、機能が充分に発揮できない。
このままじゃ、踏みつけられて潰されてしまう。
「不気味で醜くて弱いわね、それがあなたの本体なの?」
会主は僕に相対した。
「喰って噛んでわたしのわたしにしちゃおう」
四つの口を目一杯開いて体全体で覆いかぶさってきた。
女以外の二人の男の頭がどんな力があるかは不明だが、あー、こいつ、気持ち悪いから! やる!
僕は持ってる霊子を全部解放した。
蛭子神形態だと、ある意味、無敵なんだよな。
とりあえず、蛭子神の力で四つの顔に聖痕を刻んでやる。
刻まれた聖痕に力を与えるために、部屋の壁を渾身の力を込めて壁を壊す。まぁ、四肢がないんで目ビームですけど。
すると、魔法無効化結界も解かれて、明るい清潔な光が入ってきて、僕は蛭子神から日御子へと状態展開した。
はぁーーー、なんとなく、気持ちがいいなぁ。
うん、小さいけど、手足も展開できたので、ふふふ、と微笑んでしまった。
聖痕を刻まれてピクピクと痙攣している四つの顔に向かって、不敵に笑いかけたので、な、なによ、と返された。
綺麗な乳房、うん、乳房だ。まぁ、その下にある三つの顔は余計だが、乳房は乳房。うん。
餅のような巨乳に挟まれて、死に戻りしていた日々を思い出してしまった。
はぁ、勘弁してほしいなぁ、と反射的に飛びついてしまった。
乳房に、乳首の感触。あぁ、これぞ至福だ。
うん、これは僕のものするべきだな。
そう思って乗っ取ることにした。
下腹部の顔が抗議してくる。
「や、やめなさいよ、気持ち悪い」
「うんうん、僕は気持ちいいなぁ、とってもいいなぁ、ほしいなぁ、なので、もらうわ」
そう言い切ると、乳房に小さな口で吸い付くと、そこから霊子のストローを作って中身を吸い出した。
途端に、豊満な体は萎れて、や、やめなさい、と叫び公主の頭だけを残して、皮と骨だけになった。
結局、二つの顔の権能はよくわからなかったなぁ、残念と思いつつ、僕は体内に作り出した異空間で巨乳ちゃんを再構成した。
そして、床に公主の目の前に再構築した、前よりも素晴らしく美人で巨乳な新「会主」様、僕の奴隷を作り上げた。
やったあ、巨乳ちゃん第一号完成。
「な、なによ、それ」
「これからはね、ヌーア教信徒会の会主は、この巨乳ちゃん一号とします」
「ふ、ふざけんな」
「ふざけてないよぉーだ」
で、と君の頭は僕がたべちゃおう、と小さな手で掴んで、もぐもぐもぐ、とぱくぱくぱく、とひぃぃぃぃぃぃ、みたいな悲鳴が聞こえたような気がしたが、無視。
で、知識の継承も完了した。
で、停止した時間を動かして、と、あとは辻褄を合わせて、と。
これで、僕は王子として悠々自適な生活を送れると言うわけだ。




