今後について
私生活で少しバタバタしておりまして、投稿遅くなりました。のんびりペースですが、よろしくおねがいします!
ブックマークもありがとうございます♪
作戦会議を行いに、陽たちはリビングへ移動してきた。
「まぁ、作戦会議というような大それたことではないんだけど…とりあえずうちは人の役に立つために活動していくにはうってつけの場所なんだよね。」
「うってつけ、ですか?」
「そ。俺らは所謂何でも屋。それで生計を立てているんだ。そこで、依頼を一部アキラに手伝ってもらおうと思って。」
なるほど、確かに徳を積むにはうってつけの場所である。
了解すると、フィルは話を続けた。
「早速なんだけど、明日依頼主がうちに相談に来る予定なんだ。ざっくり言うと、飼い猫の捜索。詳しくは明日聞けるとは思うけど…それをアキラに解決してもらおうと思ってる。これが依頼文ね。」
そして一枚の紙を手渡された。
オッドアイの黒猫で、緑色の鈴付きの首輪をつけた可愛らしい子だ。
どうやら3日前から姿を見せなくなったようだ。名前はボタンというらしい。
私も飼い猫が行方をくらました時は、死ぬほど心配した覚えがある。ボタンちゃんの飼い主もさぞ心配しているであろう。
また、自分たちの仕事を分けてくれるフィル達にも感謝だ。
「何から何までありがとうございます、頑張りますね!」
「いえいえ。初めてだし大変だと思うけど、無理はせず俺たちに頼ること。いいね?」
にっこりとフィルとリリアが微笑んでくれる。
さてここは天国かどこかだろうか。
★★★★★
次の日の朝一番、依頼主が尋ねてきた。
新入りの陽が手伝うということに難色を示していたが、フィルがサポートをするということで了解を得られた。
改めてこの世界で徳を積むことの難しさを実感させられる。
依頼内容の詳細だが、数日前から飼い猫のボタンが行方不明になっているとのこと。ボタンは1日ふらっと散歩に出掛けて戻らないことはあったが、こんなに長く帰ってこないことはなかったため、心配していると。行きそうな場所は近所の麦畑、海の見える丘、町外れにある教会。今のところ目撃情報はなし。
依頼主もやつれており、相当心配をしているようだったので、一通り情報を聞いたあとは早めに帰って少し身体を休めるよう話をした。
そしてたった今、依頼主が帰ったところだ。
「お兄様、初めて受ける依頼にしては中々難しいかと思うのですが…。何せアキラ様はこの国の地理も把握されてないですし」
リリアが心配そうにフィルに問う。
「うーん、そうだね。ただ、今回の依頼だと色んなところを見て回る必要があるから、場所の把握をするのにはいいかと思って。もちろん案内はするし。」
リリアはしばらく考えて
「…分かりました。くれぐれも、アキラ様がお怪我をなさらないようにお願いしますね。」
そして陽に向かってニコッと微笑んだ。
「アキラ様。同じ女子同士、お兄様に言えない困ったこと等あったら、仰ってくださいね?」
聖女様がいらっしゃる…!!
リリアにむかって陽は必死に何度も頷いた。
「ん、じゃ陽行こっか。」
かくして、猫探しの依頼は幕を開けたのであった。