境界は解け、わたしの形はわたしをはみ出して、見る。
日常の底で現実を捉える、体表を覆うわたし。
わたしの意識の外にある、内側に潜むわたし。
それらが交代を繰り返し、わたしは一つにつながらない。
時に強引に表面から引き摺り下ろされ、わたしの時は途切れる。
断絶への困惑。
孤独。自己不信。
わたしを置いて行かないで。
わたしは戻れる?
わたしはわたし?
目の前の友人の存在の確かさを感じたいと強く願っている。
*
わたしは島にいる。
島にある食事処は三カ所。
友人と洋食屋さんで順番を待っている。
一人は親しい女の子。
一人は洋食屋の隣の寿司屋の男の子。
彼がたまには外で食べたいと言うから出てきたのだけど、洋食屋は満席でもう二時になる。
店主に二時半から地域の寄り合いがあるから一旦閉めたいけどいいかと聞かれて、待ちますと答える。
しかしいつ戻るのかはわからない。
しかたがないので小腹を満たすために、軽くスーパーで弁当をみようかなと女の子。
ろくなものがない。
寿司屋の子が、何か軽いものもらってくるよと寿司屋に戻る。
店主はそうしている間に戻ってくる。
少し深刻な顔をして、それでも客前だから平静を装って見える。
一人になったわたしを席に案内する。
*
私の意識は行ったりきたり。
コントロールできない。
いったっきりにならない?
いったっきりになったら?
どこに行ってるの?
滲み溶け出して多分風に。
見えるのは島の先端の低木の森。
驚くほど真っ白な砂浜で高い木は育つことができないから、ここには腰くらいまでの低木しかないのだ。
茂みの中に家も持たず、一人で暮らしている人がいる。
日に焼けすぎて真っ黒な肌にべったり固まった総白髪、白い髭のおじいさん。
彼は死んだ。
蝿が集る音。
日差し。
干物のような匂い。
彼の死について、島の大人たちが公民館に集い話し合ってきたのが見える。
低木の上におじいさんが立てた真っ白な看板が見える。
傍には黄色い花。
書いてある言葉は……。
島の人たちの困惑した顔。
恐れの感情。
みんなわたしに入ってくる。
クリープみたいに溶けて染み込む。
わたしはどこ。
朗らかな笑顔を見せて、寄り合いのことは客に聞かれても何も話そうとしない。
だけど内側に走った映像は勝手にわたしにそれを知らせる。
わかってしまう。
白髪の男はもともと島の人ではない。
他所から流れ着いた人。
家もなく、居場所もなかった。
看板の下には財宝がある。
彼はそれを誰に打ち明けたろう。
誰もが妄想さ、どうせ大したものじゃないと取り合わなかったけれど。
もう彼はいない。
残るのは言葉と看板、それから好奇心。
でもだからといって。
乱暴に掘り起こされ、そこここに投げ捨てられる。
ガラクタ。
まるで墓を暴くように。
わたしは何も知らない顔をして平然と店主に注文をする。
*
わたしを狙う人がいる。
察しているが姿は像を結ばない。
頭部だけが霧の中のよう。
そいつは耳元で、僕は君の味方だよとささやく。
何もかもわかっているんだろう? 知っているんだろう? なんて尋ねてくる。
わたしは奴を殺したい。
味方だなんて甘言、信じない。
食われる前に。殺らなくては。
僕は君の味方だよ。
君と同じだから。
「私」が消えてしまいそうなんだろう?
そう囁くのはああ、あの白髪のおじいさんだ。
わたしが白髪の男が死んでいるのを知っているのは、見えたからじゃない。
わたしが殺したからだ。
友人たちには知られたく無かった。
だからわたしを狙うのは、、、
わたしは友人と談笑しながら昼食を囲む。
20191109
11月はよく眠れていて眠りが深いのか夢の内容がボヤッとしているのでそういうのは後書きに。
またゲルにいるんでした。
白、が印象的なのかな?
20191111
今はゲルにいるんだな。
誰かに師事している。
いくつもの白いゲル。
集団生活。
あまり細かいことは思い出せないというか言葉になることがない夢




