高校生のおばさん
わたしは誰かの母親であり、この度新しい学校に転校することになった高校生だった。
今度の学校は家から遠くって、一山越えて自転車で市内まで行かないといけない。
神社の中を通って、それも何かを奉納するところを横断しないといけない。
ここは刀の神社で、時期になるとおもちゃの小刀から今時何に使うんだって感じの日本刀まで山積みになって奉納される有名なところ。
あまりにたくさんだから奉納される部分は穴になっている。
そこも今はなにもないただの穴ぼこで、わたしに自転車で横断されている有様だ。
神社のあたりでもうここはどこだ? 状態だったんだけど、市内は建物でいっぱいで、すっかり迷子になってしまった。
交番で道をたずねる。
二人の警察官が対応してくれる。
二人とも制服姿のおばさんに怪訝な顔だ。
そう、わたしは高校生だけど、息子もいる今のわたしそのままなのだ。
交番のと照らし合わせて見たところ、わたしの手にしている地図は古地図らしい。
どおりで迷子になるわけだ。
案内するため道に出て、警察が指した先には青銅色の屋根を持つ寺院がある。
「あれだよ」
白い鳩。
朝日を背負って、なんて綺麗。
いつのまにかわたしは美容院に来ている。
特に有名でもないけど商店街でいつも見かけていたところだ。
予約して、初めて中に入った。
低い位置のシャンデリアがおしゃれな鏡だらけの場所。
呼び出される名前は松本さん。
誰だろう、と思うがどうやらわたしのようだ。
夢でもわたしはわたしで松本さんではないんだけど。
でも呼ばれるがまま席に着く。
きっとわたしの外側と内側のようなものがどちらも少しずつずれているから仕方ないことなんだなって納得する。
20200122




