3、頭の痛い子
「痛い!いったーい!頭が!額が割れるぅ!」
山吹色の髪の女の子はテラスをゴロゴロ転っている。
服装は緑とベージュの洋服で白いエプロンをし、可愛いらしい印象だ。
恐らく俺が開けたドアに頭をぶつけてしまったのだろう。
「おい!あんた頭大丈夫か!ごめん!俺が勢いよく扉開けたせいで・・・」
転がりまわっていた女の子はピタッと止まり、勢い良く顔を上げた。
「おおぉ!目が覚めたんですか!」
額を真っ赤にして涙目で彼女が喋った。
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彼女は、とにかく明るい女の子だった、額を真っ赤にしたままヘラヘラと笑いながら俺に話しかけてきた。
「いや〜どうもこんにちは!初めまして!
貴方が真っ青でぶっ倒れてたのを見つけたときはダメと思ったけど、元気で良かった!
ヒメリです!
まだ頭痛いです!
ヒメリです!」
「ヒ⚫️シです」というフレーズが頭をよぎったがどうでもいい。
「本当にすいません。俺がドアを勢い良く開けたので怪我を・・・すいません!ヒメリさん?」
するとヒメリは驚いたように後ろに飛んだ
「どどどうして、ヒメリの名前を知ってるんですか!まだ名前を名乗ってませんよ!
ヒメリです!」
こいつアホの子なんじゃないか?
だかどうやら俺を寝かせてくれたらしい、だからまだ丁寧な態度はくずさないぜ。
「ヒメリですって名乗ってると思ったんで言っただけですよ」
「あっと!すいません!口癖なんです!
ヒムェ・・・」
恐らく自重したんだろうが滲み出てきてる。
「いや!頭をさっきぶつけたせいです!貴方がわるいです!」
「ごめん。本当にその頭大丈夫?」
さっきとはニュアンスを変えて聞いた。
丁寧な態度?何ソレ?食えんの?
「ムキー!貴方私を馬鹿にしてますね!そんな態度なら貴方なんて助けるんじゃありませんでした!
[アオ]の頼みだから看病しましたが我慢の限界です!
悲劇です!」
○○です!ってのがこいつのキャラなんだろうなぁと思いつつ確かに命の恩人?らしい人に失礼な態度では申し訳ないので
「いや、あの、俺ここが何処だか分からないんで焦ってて、君を傷つけたのは謝るよ、ごめん。
後、なんか助けてくれてありがとう。」
俺は彼女に向き合い頭を下げた。
ジト目でみられ、ため息をついたあと、納得したのかヒメリは手を出して
「改めまして、ヒメリ・マールです。
此処はマテン山の麓のマテン村です。
よろしくです!」
屈託ない笑顔でヒメリ・マールは自己紹介をした
ならば俺も答えよう
「俺の名前は、柳 奈義。出身は日本だ。」