No. 5 謎の声
ダイゴワァ!
••••••すみません、突発的にやりたくなったんです。
こんなツマラナイ前書きはともかく本文をどうぞ!
「シュウヤ!?」
「馬鹿、来るな!」
慌てた様子でこっちに来ようとしてるスピカを怒鳴って止める。
謎キメラは今、オレに狙いをつけている。
オレの近くに来たら、スピカにも狙いがーーって!
「危な!?」
キメラがハイキックをしてきた。
間一髪で避けたが、オレが寄りかかっていた木が根元からへし折れた。
なんて馬鹿力だ!
当たったらまず死ぬぞ!
「シュウヤ!」
スピカがオレに駆け寄る。
オレは来るなって言っただろうが!
「馬鹿、オレをオトリにして逃げとけよ!」
「シュウヤこそ馬鹿!そんなこと出来ないよ!」
どうやらこいつには”見捨てる”という選択肢が無いらしい。
会ったばかりの他人なんて放っておけばいいのに、それをしないのは単純にスピカがいい奴だからだろう。
それはいい事なんだろうが、この場合は違う。
「本当にどうすんだよ……」
キメラのターゲットにスピカが入った。
さっきの動きから見て、簡単に逃げられるとは思えない。
たとえスピカのステータスがオレより高くとも、明らかに奴の方が強い。
オマケに全身が凶器みたいな奴だ。
攻撃が掠っただけでも危ない。
そして、普通にやっても、まず逃げることは出来ない。
「スピカ、あいつをなんとか出来るスキルは持ってないのか?」
キメラを刺激しないように、スピカに小声で話し掛ける。
「ゴメン、わたしのレベルじゃ少し意識を逸らすくらいのことしかできないと思う。シュウヤの方こそ、さっきのキカンジュウとか使って通せないの?」
「……多分無理だ。オレが機関銃を取り出して構えて撃つより先にエレファントキックが飛んでくる」
他の兵器にしても同じだろう。
恐らく引き抜いている間に攻撃される。
ゾウの足のクセにやたら機敏なキメラだからな。
ゾウの足から放たれるキックなんか受けたら一撃でお陀仏だ。
いや、そもそもゾウはハイキックなんかしてこないし二足歩行ではないけど。
「それは……本格的にマズイかもね」
「ああ、本当にな」
というか、もうオレ達に打つ手は無いんじゃないか?
ハッキリ言って崖っぷちってか、既に身体の半分くらい落ちてるだろ。
……。
「今日は厄日だな」
スピカには聞こえないように口の中でボソッとつぶやく。
早々に諦めモードに移行する。
人間、諦めも肝心だ。
短い人生だったな。
最後は精々、このお人好しーースピカを逃がすことに全力を使うとしよう。
そう決意し、身構えようとしたその時。
気づいた。
(……動かない)
身体が動かない。
いや、違う。
これはーー
(……止まっている?)
オレも、スピカも、キメラも、その他のモノも。
まるで時間が停止したかのように止まっていた。
いや、まるでじゃない。
まさしく時間が止まっていた。
指先の一つ、瞬きの一つも出来ないほどに完全に。
絵の中に取り込まれたと思うほど完璧にオレ達は停止した。
そしてーー
『おや、もう諦めるのかい?』
声が、聞こえた。
聞き覚えが無いはずなのに、何故かとても懐かしいような気がする声だった。
『でも、残念。私は君には生きてもらわないといけない』
どういうことだ?
お前は一体誰なんだ?
『ふふっ、不思議がっているね。まぁ、詳しい話は私と直接会ってからだ。私の準備もほとんど整ったからね。まずは、コッチに来てもらおうかな』
そんなことを言われた瞬間。
オレの目の前が光に包まれた。
・経験値+
魔物を倒した時の経験値が多く入る。スキルLVは凄まじく上がりづらい。
・魔力消費軽減
スキル使用時の魔力を軽減させるスキル。このスキルもLVが上がりづらい。消費の割合は大体、LV. 1で−10%くらい。
・幸運補正
運が良くなる。ガチャの引きが良くなる程度の能力。
・器用度補正
器用になる。初めて使う武器でも、有る程度は使いこなすことができるようになる。