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No. 4 しゅうやはれべるがあがった!

「今のは何!?」



スピカが鬼気迫る表情で、オレの胸倉を掴んできた!

何だこの謎怪力は!?

呼吸が苦しい!



「ちょ、ちょっと落ち着け!その手を離して!」



「あ、ゴメン」



スピカがパッと手を離す。

酸素……酸素ォ!

空気ってこんなに美味かったのか!

新発見だ。

いや、そんなことより苦しかったぜ……。

一体、あの細い身体の何処からあんな力が出てきてるんだ?



「それで、これは何なの?」



落ち着いたのか、さっきより冷静に聞いてきた。

視線は足元の機関銃に向けられている。



「何って……機関銃だけど?」



「キカンジュウ?」



予想通りと言うべきか、この世界には無いらしい。

どうやって説明しよう?



「こんな武器は初めて見るよ?」



「そうなのか?」



正直、自分でも上手く説明出来ないし、記憶喪失設定を上手く利用させてもらおう。



「えっと、オレにもよくわからん。武器の名前とかはわかるけど、何処で知ったかは覚えて無い。ただ、頭の中にいきなり思い浮かんだというかな……」



「あ……そっか、記憶が無いもんね」



スピカが申し訳なさそうな顔をする。

やめてくれ、罪悪感が……。

スピカが眩しく見えるよ……。



「……アレ?」



話題を変える意味も込めて、そっとステータスカードを見ると、レベルが上がっていた。



「レベルがいきなり3になったぞ!」



「え!?早すぎない!?」



マッドドックは経験値があまり入らないと言っていたスピカは大変驚いている。



「う〜ん、経験値+の恩恵もあるんだろうけど、マッドドック程度の魔物を倒してレベル3に上がるなんて……」



マッドドックの評価が可哀想なレベルで低すぎる……。



「まぁ、レベルが上がるのは良い事だろ」



「そうだね。早く上がるに越したことは無いかな」



でも、ステータスはあまり上がって無いんだな。

魔力だけ倍くらいに増えてるけど、他のステータスの上昇率低すぎ……。

自衛できる程度のステータスが欲しいのだが……。

こんなステータスで大丈夫か?

召喚士なら大丈夫なのか?



「ほらほら、いつまでもステータスカード見てないで先に進もう?もう少しで森を抜けられるから!」



そう言うスピカに背中を押されながら、オレは橋を渡った。






「霧が薄くなってきたな」



どうやらもうすぐ森を抜けられそうだ。



「……んー?」



しかし、スピカが何やら納得のいかない顔で首を傾げている。



「どうかしたのか?」



「ちょっとね。偶然だろうけど、橋を渡ってから、いや、その前からもだけど魔物と全然遭遇してないなって」



確かに、森に入ってから遭遇したのは、数匹?のマッドドックだけだ。



「何時もは結構出てくるのか?」



「うん、遭遇することが当たり前だね」



と、なるとスピカが納得いかないのもわかる気がする。

しかし、そうなると何かがあったと考えるべきか?



「この森の魔物って強い奴とかいるのか?」



「いないよ。正確にはミストウルフっていう強い魔物がいるけど、アレは臆病だから基本遭遇することはないーー」



から、と続けようとしたスピカが口を閉じる。

身体を強張らせ、目を見開いている。

オレがその方向を見ると、そこには霧を纏ったオオカミのようなモノがあった。

ただしーー首から上が無い死体の姿で。



「……もしかしてコレがミストウルフか?」



スピカに視線を向け、そう質問すると、スピカは無言で首を縦に振った。



「マジかよ……強い分類に入るんだろ、アイツ」



スピカも言い方から考えて、この森の中では最強の魔物なはずだ。

それが見事に殺されている。

首の部分を見てみると、噛みちぎられたようだった。



「……噛みちぎられた?」



刹那、嫌な予感に駆られ、反射的にスピカを蹴り飛ばす。



「ちょっ、何を……!?」



スピカには垂直にぶっ飛ぶオレの姿が見えただろう。

スピカを蹴り飛ばした後、スピカのいた場所に巨大な何かが落ちてきた。

オレはその衝撃を受けた。

そして、飛んだ垂直に。



「カハッ!?」



木にぶつかり、背中に衝撃が走る。

痣になったなコレは。

いや、まぁ今はそれどころじゃないけどな。

オレは落ちてきた物体ーーゴリラとライオンとクマとゾウがフュージョンしたような見た目の合成獣(キメラ)に目を向ける。

ライオンの顔、クマの腕、ゴリラの胴体、ゾウの足のキメラはオレの方を見る。



「あー……コレはマズイかねぇ」



冷や汗をかきながら、オレはそう呟いた。














・武装召喚

召喚術の一つ。武器を召喚する召喚術。消費魔力は200で、かなり消費が悪い。この召喚術は、武器であればなんでも召喚できるのが特徴。正確には、召喚士が武器だと認識しきるモノを召喚できる。時間制限もあるので基本使いづらいが、秋矢はスキルの構成的にあまり問題無い。


・制限解除

スキルに掛かってる制限を一部解除する。例えば、召喚術なら召喚時間の制限を増やすことができる。スキルLVがMAXなら完全に無くすことも可能。


・魔力回復+

魔力回復時間を速める。なお、普通魔力は10分につき1回復する。



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