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No. 3 初戦闘?

「……本当にココに入るのか?」



「うん」



「イヤイヤイヤイヤ」



草原から歩き始めて数時間後。

オレ達は霧が立ち込める森の前にいた。



「通りたくないって思うのはよくわかるよ。わたしも最初はかなり躊躇したし、今でも出来れば通りたくない。でも、ここを通るのが一番の近道なの!」



急がば回れということわざを知っているか?

まさしくこういう状況で使う言葉である。

こんな迷い子に向かって全速前進するような森を通るくらいなら多少遠回りでも別の道を通るべきだ!

と、訴えたのだが。



「でも、他の道を通ると一日以上かかるよ?大丈夫、見た目ほど深い森じゃないから!強い魔物とかもいないし!」



そう、笑顔で言われてしまっては反論出来ない。

……別に見惚れてたわけじゃないからな?

結局、オレ達は霧の森を進む事になった。

まぁ、スピカが深い森じゃないって言ってたし、多分大丈夫だろう。

でも、魔物に遭遇とかしたら、試してみたい事があるな。






数時間後。



「う〜何でこんな時に限っているの!」



スピカが嫌そうな顔で前を睨みつけている。

その視線の先には、数個?、または数匹?の泥の身体を持つ犬のような物が歩いていた。



「何だ、アレ」



「魔物だよ。マッドドックっていうの」



そのまんまだな。

確かに(マッド)(ドック)だ。



「強いのか?」



「全然。動きは遅いし、攻撃が当たっても、所詮は泥だからそんなにダメージとか受けないし」



「その割りには嫌そうな顔だか」



会いたくないものに会ってしまったと顔に出てる。



「うん、弱いからこそ嫌われている魔物だからね」



弱いからこそ嫌われている?

イジメか?

可哀想な魔物だ。



「魔物っていうのは強ければ強いほど経験値が多く入るんだけど、マッドドックは弱いからあまり経験値が入らないの。しかも、近付くと泥が跳ねるし、倒すには核を破壊しないといけないし、倒したら倒したで泥が跳ねるし、とにかく嫌な魔物だよ!」



「近付かなければいいのでは?」



こう、魔術で遠距離からリンチすれば問題無いんじゃね?



「言ったでしょ?核を破壊しないといけないって。マッドドックは核の位置を自分で動かせるから魔術を使っても必ず当たるとは限らないの」



なるほど、確かにそれはメンドクサイ。



「でも、どうする?あそこにいられたんじゃ、橋を渡れ無いじゃないか」



奴らが屯っている橋を渡らないと、森を抜けられない、というより濁った川に入らないといけなくなる。



「そうなんだけど、わたしの魔術はマッドドックと相性が悪いから……」



スピカの魔術を実際に見たわけじゃないし、オレには判断がつかないが、本人が言ってるならそうなんだろ。

なら。



「ちょっとオレにやらせてくれないか?」



「え?」



スピカがポカンとした顔をする。

まぁ、無理も無いな。

だが、オレにも考えがある。



「武装召喚だっけ?一回使ってみたいんだ」



「……でも、」



「知ってるんだろ?簡単にでいいから教えてくれないか?」



スピカの目をジッとして交渉する。

面接の時によくやられたことだ。

これは意外とキツイぞ?

オレはキツかったからな!

しばらく続けてると、スピカが赤くなって目を逸らした。



「でも、武器を召喚しても核を破壊するのは大変だよ?」



「安心しろ。詳細を聞いてからだが、多分大丈夫だ」



恐らく、オレの想像通りなら問題無いはずだ。



「う〜ん、まぁ、ここを通るにはアレをなんとかしないといけないのは確かだし、とりあえずシュウヤに任せてみるかな。それで、武装召喚だよね?」



スピカはそう言って、武装召喚について話し出した。

要約するとこうだ。

1、武器であれば、基本何でも召喚できる。

2、基本的に一時間経つと自動で消える。破損した場合は、その時点で消滅する。

3、ただし、例えば聖剣などの強力な武器は、本人の力量にもよるが数分も持たない場合が多い。

4、消費魔力は200。

5、召喚するというイメージが大事。

とのことだ。

消費魔力が200なら丁度一回使える。

魔力消費軽減があるから、もう少し減るだろうし。

呼び出すモノが何であっても変わらないのもかなり重要だ。

聖剣なんかも今のところ召喚する気なんか無いから問題無い。

イメージに関しては武器を構える時や、取り出す時のことを考えればいいらしい。



「弓を召喚する場合は矢も一緒に召喚出来るのか?」



「確かそうだったと思うよ?イメージとしては弓と矢は1セットだと思えばいいらしいよ」



「なるほど……」



つまりは何も問題無いな。



「で、どうやって召喚すればいい?」



「う〜ん、わたしの友達は『来い!(武器の名前)!』で召喚出来てたよ。でも、慣れてないと難しいって。



「そうなのか?」



「うん、召喚術って決まった詠唱が無いんだけど、長いほど安全に召喚出来るんだって。慣れれば短い方が隙が出来にくいから、安全らしいけど」



なら、オレは少しだけ長くするか。



「『異界の扉よ開け!来い!機関銃!』」



そう唱えると、倦怠感と共に目の前に魔法陣が出現する。

その中心から金属的な物体が出てきたので引き抜く。

重くて腕が下がってしまったのは仕方ない、別に俺が貧弱なわけじゃない!

視線を落とすと、メタリックな兵器がある。

どうやら上手くいったらしい。

ちなみに召喚時のイメージは扉を開けて取り出すイメージ。

名称も大雑把だったから心配だったが、問題無かったようだ。

そんなことより……恥ずかしい!

何だこれは!?過去のオレはよくこんな感じの痛々しいセリフを大声で叫べたな!

恐るべき廚二……。

ノリでパッと思いついたことを叫ぶんじゃなかった。

頑張って無詠唱できるようにしよう。

そして過去に戻れるなら、昔の馬鹿(オレ)にこの機関銃を撃ち込んでやりたい。



「な、何それ!?」



過去のオレに殺気を漲らせていると、当たり前かもしれないが、スピカが大変驚いている。



「下がってろ!絶対に前に出るなよ!」



そう言って、スピカが下がるのを見てから、機関銃をマッドドックに向け、乱射する。



「ヒャッハー!」



……言いたかっただけだ、特に意味は無い。

静かな森に、発射音が響き渡る。

しばらくして、弾切れになったので機関銃を足元に落とす。

何故だか、とても気分がスッキリしている。

倦怠感も無い。

しかし。



「……やり過ぎた」



調子に乗りすぎた。

今は反省しています。

辺りに薬莢が散らばっている。

そして、マッドドックは倒せたがスピカの視線が痛いです……。













・保有スキル

使うことの出来る能力。自分で発動するモノと常時発動しているモノで別れる。基本、最初はClassに関係するスキルが多いが努力すれば、後から自分で他のスキルを習得出来る。


・スキルLV

スキルのLV。LVが高いほどスキルの効果が上がる。スキルを使っていくことでしか上がらない。最終LVは、10。5から上は上がりづらい。



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