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弁当騒動再び!?

キーンコーンカーンコーン…


「さー!飯だ飯だ!」

「誰か、買出し行って来い!」

お昼のチャイムと同時に、やたら手際良くガタガタと机を集める男ども。

いつもはてんでバラバラに食ってるのに、何でだ…?


「さあ!楽しい昼べの始まりだな、ショウ!!」

鈴木がガッ!と俺の肩を掴む。

「…なんだ、その昼べ、ってのは…?」

鈴木の手を払い除けながらジト目で睨み付ける。

「夕べが有るんだから、昼べがあってもおかしくないだろ?朝べってのも有るぜきっと!」

「インスタント味噌汁じゃ無ぇんだからよ…」

根本から意味も使い方も間違ってんぞ、お前は。

俺は弁当を持ってそそくさと教室を出ようと試みる。が…

「ショウ!どこに行くんだ!?俺達とのランチをバックれようってのか?」

「さあ、お前の為に白牛乳とうぐいすパンを買ってきたぜ!もちろん俺の奢りだ!」


…こいつら…

昨日の弁当騒ぎをまだ持ち越してやがるな。


バカめ…

遥には昨日の騒ぎを話したから、ラヴラヴ弁当、略してラヴ弁はもう作らないだろうし

今朝、遥は俺と一緒に寝てて弁当はおばさんが作ってくれてるから無問題だぜ!

「ああ、じゃあお前達とのむさ苦しくも楽しい昼べって奴を楽しもうかね」

余裕の笑みで答える俺にざわめく男共(ハイエナ)

「ちっ!やっぱ昨日のウチに押さえるべきだった…」

「くそう!今日は普通の弁当かよ…」

既に興味を無くした様に半分くらいのヤツらは自分の席に散っていく。

「愚か者め…」

ほくそ笑む俺を見て、残った連中も去って行った…が…

「おい鈴木、佐藤、井熊。お前らは散らないのか?」

悔しそうな顔をしつつ残った三バカに、俺は余裕綽々で挑発する様に声を掛ける。

「ああ、もうメンド臭いからな。たまにはこう言うのも良いだろ」

「右に同じ」「同じ」

「ま、勝手にするさ!いっただきま〜す!」

俺はカパッと弁当箱を開けた…ら…


「ぬおおおおおおお!!ショウ!てめえ!!」

「なななななな!なんだこれはショウなんなんだあ!!」

「うおおおお!マジかよ!!…羨ましい…」


ガバッ!!


急いで弁当箱を閉じる俺。だ、が…

「なんだなんだ!やっぱラヴ。弁当だったのか!?」

「見せろ!食わせろ!!やらせろ!!!」

「あひょうくへっはははは!!!」


俺の周りには既にハイエナによって壁が出来ている。

「くっ…!」

じわじわと弁当箱を抱えた俺を追い詰めていくハイエナ共。

「ちょっとぉ!なに騒いでんのよ!!」

「ショウくん!大丈夫!?」

異様な雰囲気に女子がざわめき、和泉が俺を心配して声を掛けて来るが

目を血走らせた野獣共はもう止まりそうに無い…


「おい、何が書いてあった!?」

三バカに詰め寄る野獣。

「おお、ショウ大好き!とかハートマークとか有ったぜ!!」


…そう、チラ、としか見てないが確かにハートマークがご飯の上にでっかく描かれていた。

しかし、なぜだ!?遥は今朝、まったく弁当作成に関わってないのに!!


…待て、よ?

そう言えば、今朝、遥の家を出る時に、沙里が

「えへへ、ショウ兄ちゃん!今日のお弁当は沙里も手伝ったんだよ!」

って言ってたな…


もしかして!?


俺はささっと弁当箱を開けて中身を確認する。

「おおっ!見せろ!!」

ダッと集まってくる野獣共。


「…ちっ。もうこうなったら仕方無ぇな…」

俺は心底悔しそうに演技しながら、自分の席にとさ、と座る。

「ふふふ…観念したか、ショウ…」

「ああ、お前らの執念には負けたよ。

 さあ、思う存分見るが良いさ!俺の可愛い彼女が作ってくれた弁当をな!!」

俺は叫びながら弁当の蓋をパカっと開く!

どっとどよめく教室。

我先にと俺の机の上の弁当に殺到するバカ共。


「きゃー!ショウくんの彼女のお弁当!?」

「私も見たい見たいー!!男子邪魔ーー!!」

…女子も殺到して来てるのは大きく予想外だったな…

「どこ?どこ?ああん見えないよっ!!」

って、おい和泉。

なんでお前まで目ぇ三角にして殺到してんだよ…


「こ、これはァ!!」

三バカの叫びがこだまする!

その視線の先には!!


ハートマークと共に「ショウ兄ちゃん大好きだよ!サリ」

とでかでかと書かれた弁当が有った。


「…ショウ、兄ちゃん…?」

呆けた様な声を上げる鈴木。

「兄ちゃん、って…?」

虚ろな目で俺を見る佐藤。

「サリ、って…誰?」


「ああ、サリは遥の双子の妹の片割れさ。

 俺に良く懐いているんだ。とっても可愛い娘だぜ」


昼休みの教室に、ハイエナ共の巨大な溜息が響き渡った。

「なんだよ〜!焦らせやがって…」

「俺はもう、てっきり若宮本人の手作りだとばかり…」

「おお、俺もそう思った。ま、よく考えればショウごときに

 あの若宮がラヴ。する訳無ぇよな!」

「ああ、所詮二人は幼馴染だってだけだよな。

 若宮とショウじゃ月とスッポン、ウサギと亀だぜ!」


お前ら…いくらなんでも好き勝手に言い過ぎだろオイ。

ってか、小池、お前ウサギと亀、の意味違ってんぞ…

ざわめきながら再び席に戻っていく男&女共。


ああ、ようやく昼飯が食える…


なんの遠慮も無くガツガツと平らげた弁当には、

おばさんと沙里の愛情がたっぷり詰まっていた。



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