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えっち?

「ショウ、帰ってる?」

ノックと共に遥の声がする。

「ああ、帰ってるよ。今開ける」

俺はドアまで行き、鍵を開けて遥を招き入れた。


今日の午前中はラブラブ攻撃を仕掛けてくる亜由美を誤魔化すのにえらく苦労した。

だが、元々お嬢様の亜由美は、

「俺、高校生のウチはエッチな事はイケないと思うんだ!」

という俺の大嘘に感動したのか、

「じゃあ、大学に合格したら私をあげる!

 ショウくん、貰ってくれるよね…?」

ともじもじしながら聞いてきた

「あ、ああ!もしその時に俺達がまだ仲良く出来てたらな」

と苦しい返答をする俺に指を差し出し、

「じゃあ、指切りして!

 ゆーびきーりげーんまーん…」

と嬉しそうに指切りをする亜由美。

「じゃあね!ショウくん!今度ウチにも遊びに来てね。

 パパとまどかさんが会いたがってるから!」

元気に言うと、亜由美は自転車に乗って帰っていった。


出来れば、針千本は飲みたくないなぁ…


「どうしたの?何で私を拝んでるの?」

やべぇ、またいつもの癖が出た。

どうもセルフコントロールが上手くいかんな、ココん所…


後ろ手でドアを閉め、直ぐに抱きついてくる遥。

「ショウ…ぎゅってして」

ネコの様に甘えてくる。

俺は遥の華奢な体に手を廻し、少し力を込めて抱き締めた。

遥が俺の首筋に唇を当てて軽くキスをする。

「キスマーク、付けても良い?」

遥が甘えた声で聞いてくる。

「…まあ、学校で気付くヤツも居ないとは思うけどな」

「ん。じゃあ付けちゃうモン」

ちゅうう、と吸い付く遥。

ヤベ…体の一部が成長して来ちまう…

「ね、おっきくなってるね…」

遥が首筋から唇を離して呟く。

「ねえ…しちゃう?」

もう理性は決壊寸前だ。

しかし、今夜は遥の家に夕食をお呼ばれしている。

迎えに来た遥が遅くなった上に顔を紅潮させて帰れば、

鋭いおばさんは絶対に感付く。

それに、今夜はおじさんもいるしな…

俺は先日、おばさんが来た時の事を思出だした…


先週の水曜の夜の事。

コンコン

午後十一時、遥とラブラブして、遥を送って行った後に突然誰かが尋ねてきた。

「はい、どなたですか?」

「私よ、ショウくん。ちょっと良いかしら?」

お?おばさんか。さっき会ったばかりだけどな…?

「はい、今開けるね」

ドアを開けるとにっこりと微笑んだおばさんが立っている。

それにしても、ホントに若くて綺麗だよな。

とても四十代には見えないや。

「なあに?おばさんの顔に何か付いてる?」

小首を傾げるおばさん。

「う、ううん何でもないよ。まあ上がって」

俺はおばさんを部屋に入れ、お茶を入れた。

「うん、ショウくんお茶入れるの上手ね!」

にっこりと笑うおばさん。

「で、どうしたの?遥が何か言ってた?」

俺の問いにおばさんが答える。

「ううん、遥はさっき、世界で一番幸せなのはあたしよ!

 って顔して帰ってきて直ぐ寝ちゃったわ。

 ショウくん、ありがとうね。あの娘の事、大切にしてくれて…」

突然の言葉に面食らってしまう俺。

「い、いえとんでもない!こちらこそ遥のお陰で凄く幸せです」

思わず敬語になる。

「所で、貴方達もうエッチしてるのよね?」

「はい!

 …のわあっ!!」

元気良く答えてから飛び上がる俺。

「いえその勢いではい!とか言いましたがまだ俺達高校生なんだし俺なんか身元不明で遥を幸せにしてあげられるか解らないけどでも決して遊びとかいい加減な気持ちじゃなく遥とは将来的に結婚まで視野に入れてるのは当然な事でしてしかしやはり未成年である以上不純異性交遊についての不味さも認識はすれども歯止めは効かず」

「はい、落ち着いてショウくん。別に責めてるんじゃないから」

おばさんに言われて正気に返る。

「…すみません、遥とは…」

俺は項垂れて謝罪する。

「あら、別に良いのよ。どうせ止めたって止まるものじゃないのは解ってるもの。

 私だって経験者だし?」

へ?と顔を上げる俺。

「ただ、ちゃんと色々と考えてる?赤ちゃんの事とか」

「ほえへ?」

俺はなんと答えていいのか解らずに困ってしまう。

「まだまだ結婚するのは早いでしょ?だから、そこだけはちゃんとしてね。

 後、ウチに来る直前にするのは避けてね。

 流石にお父さんと、それと沙里に感付かれるのは避けたいの…

 沙里はね、本気でショウくんの事が好きなのよ。

 実は、昔から私にだけは「沙里はショウ兄ちゃんのお嫁さんになるの!」って

 ずっと言ってたんだから…遥の事を嫌ってなんか居ないけど、

 今回はあまりに唐突過ぎて納得出来てないのね…」

「…解りました。気を付けます」

ふふ、と笑うおばさん。

「ま、そんなに難しく考えないで!

 おばさんはショウくんと遥が結婚して、可愛い孫を見せてくれるの楽しみにしてるんだから!

 じゃあ、夜分遅くごめんなさいね、お休み、ショウくん」



「ね、ショウ…どうしたの?しないの?」

我に返る俺。

俺の腕の中では遥が大きな目をくりくりさせて俺を見上げている。

「あ、ああ。とりあえずご飯食べに行こうぜ。

 遅くなると心配して誰か迎えに来るかもしれないだろ?」

遥がちょっと頬を膨らませる。

「…したかったのに!

 でも、仕方ないね…また後でしよ♪」

遥が目を瞑って唇を尖らす。

俺はちゅっとフレンチキスをする。

「さ、行きましょ!今日はショウの好きな唐揚げだからね!」

遥が俺の手を引いて部屋を出る。

カギを掛けて遥と手を繋いで歩き出す。

一分足らずで着いた遥の家からは、美味しそうないい匂いがして来ていた。




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