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恋してる!?

食事を終え、少し遥の部屋で話をしてから居間に戻り敷いて貰った布団に横になる。

遥の部屋から出る時に、

「…ショウといっしょに寝たいよぅ…」

と涙ぐむ遥が可愛くて、そのまま遥の部屋で寝てしまおうかとも思ったが、

そこはぐっと堪えてキスだけして理性を保った。

「は〜、もう一回くらい・・・したかったな…」

等と不埒な事を呟きながら目を瞑ると、直ぐに眠気はやって来た。


と、うとうとしていたら誰か部屋に入ってくる気配がする。

「…ん?」

俺が半分寝惚けながら横を見ると、そこにはピンク色の可愛らしいパジャマを着て、

枕を抱いた沙里の姿が有った。

「えへ、一緒に寝ても良い?」

恥ずかしそうに笑いながら甘えてくる沙里。


ふっ…仕方ないなぁ


「ああ、良いよ。おいで」

布団をめくってあげると嬉しそうに入ってきて抱きつく。

沙里の体はちょっと冷えていて、ひんやりと心地よい感触だった。

「ショウ兄ちゃんって、あったかいね」

沙里が嬉しそうに言いながら俺の肩に頭を乗せる。

俺は沙里の肩を抱くようにして、

「おやすみ」と言う。

「おやすみなさい、ショウ兄ちゃん」

沙里も微笑みながら答えて目を瞑り、数分後には可愛らしい寝息を立てだした。

沙里の可愛らしい寝顔を見て思わず微笑みつつ、俺もすーっと眠りに落ちて行った。



翌朝、まだ眠っている沙里を布団に残し、一度自分のアパートに戻ってから新聞配達に出掛ける。

一時間半程の配達を無事に終えてアパートに戻ると、

パジャマにジャケットを羽織った遥が待っていた。

「おはよう、来てたのか」

「・・・おはよ」

俺は遥を抱き締めながらちゅっと軽くキスをする。


「・・・朝ごはん、家で食べよ」

お?なんだかちょっと不機嫌だな…?

遥の家に行き、朝ごはんをご馳走になっている時、

「ショウくん、昨夜は沙里と添い寝したのね」

とおばさんがニコニコしながら言ってくる。

「うん、沙里が来たから一緒に寝たけど…」

何となく意味有りげな視線を俺に向けるおばさん。

ふと遥を見ると、アヒル口をヘの字にして納豆をかき混ぜている。

沙里はニコニコしながら目玉焼きをごはんに乗っけてしょうゆを垂らす。


…ああ、なるほどね。


苦笑する俺を見ておばさんも苦笑する。

「遥、いつまでイジけてるの?いいじゃない一晩くらい沙里にショウくん貸してあげたって」

ぶっと納豆を噴出す遥。

「きゃん!ハル姉きちゃないな〜!」

香奈が自分の目玉焼きの上に納豆を飛ばされて文句を言う。

「にゃ!あたひべつにひょんなこときになんてひてないもん!!」

納豆でむにゃむにゃした口で必死になる遥。

「口の中に物を入れたまま喋るんじゃ有りません」

おばさんに怒られ、むしゃむしゃごくん!と飲み込んでから

「あたし、別にそんな事気になんてしてないもん!」

と文句を言い直す。

「ハイハイ、良いから早く食べて学校行きなさいね」

さらっとおばさんにかわされ、

「むーーーー!!」

とアヒル口を尖らし、ほっぺをぷくっと膨らます。

「遥、早く食べちゃって行こうぜ」

俺は苦笑しながら遥に声を掛けた。

「・・・はあい」

まだ不満げでは有ったが、遥はの食べかけのご飯をもくもくと食べ出した。



キーンコーンカーンコーン・・・


さて、昼飯か。

今日の弁当は、と・・・

俺が弁当の蓋を開けようとした時、

「ショウ、客が来てるぞ」

と佐藤が声を掛けて来た。

「ん?」

ドアを見ると、見覚えの有る小柄な姿がもじもじしながら俺を見ている。

あれは・・・あの時、遥と一緒にいた弓道部の一年の男子だな。

名前は涼っつったか。

「サンキュ」

俺は佐藤に礼を言いながら席を立ち、男子生徒の前まで行く。

「おう、どうした?」

俺が声を掛けると、涼はすこしもじもじしていたが

「あの、ショウ先輩!ショウ先輩は西村さんとお付き合いしてるんですか!?」

と突然デカイ声を張り上げた。


「はうっ!?」


俺の後方で、クラス全体がざわ、とどよめく。

「と、突然何を言い出すんだお前は!」

めちゃくちゃ慌てながら俺が叫ぶ。

「だって、ショウ先輩は遥先輩ともお付き合いしてるって聞いたんです!

 それに、南先輩もショウ先輩を好きだむぐぐ!」

俺は涼の口を左手で塞ぎ、右手で体を抱えてダッと教室から走り出た。

しばらく走り、階段下の倉庫前で涼を下ろして肩で息をする。

「はー、はー・・・お前、はー、いきなり大声で、ふう・・・」

「す、すみません・・・」

申し訳無さそうに俯く涼を見ながら、すうっと深呼吸して息を整える。

「で、そんな事を聞いてどうするんだ?

 そういえば、お前は亜里沙・・・西村を好きなんだよな?」

ボッと真っ赤になる涼。解りやすいヤツだなぁ。

「・・・はい、僕は西村さんに恋してます」


ぶほっと噴出しかかって堪える。

恋してますって・・・そんなラブコメみたいな表現をリアルでするヤツが居るとは思わなかったぜ。


「で、今回は何の意図が有って俺に難癖付けに来たんだよ?」

少し強い調子で問い質す。

「・・・だって、ショウ先輩は遥先輩とお付き合いしてるんでしょう?」

涼が上目遣いで俺を見る。

さて、なんと答えるべきかね・・・

「ところで、俺と遥が付き合ってるなんてどこで誰に聞いたんだ?」

俺は涼の腹を探るべく、質問に質問を返す。

「・・・弓道部(ウチ)の女の子達が噂してるんです。

 それに、ショウ先輩と話している時の遥先輩は本当に楽しそうだし、

 遥先輩の前でショウ先輩の事を誉めるとデレデレになって嬉しそうだし」


・・・あのバカ、解り易過ぎるんだよな・・・


「何より、遥先輩は芳野キャプテンとお付き合いしてた頃よりもどんどん綺麗になってるし」

そ、そうかな?

そういやアイツ、ホントに綺麗になってきたよな・・・さすが未来の俺の嫁。


「ショウ先輩、顔がデレデレに溶けてますよ」

「うほぅ!?」

ジト目で涼に睨まれて焦る俺。

「バ、バカ言うな!遥を誉めたからって俺は別に嬉しくなんか無いぞ!?」

はぁ、とため息をつく涼。

「やっぱり、お付き合いしてるんですね・・・」

「むぐ・・・」


俺は言葉に詰まり、自分の迂闊さを心底後悔しつつ天井を仰いだ。



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