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委員会?

あ”〜、…放課後、かぁ…


行きたくねえな、企画委員会…

だがしかし、半ば無理矢理とは言え決まったからにはやらなきゃな…

自分で自分に挙手してたのはなんぼなんでも大間抜けだったよな…


あ”〜〜〜〜〜…


「ショウ先輩、大丈夫ですか?」

ひょい、と俺の目の前五十センチに愛らしい笑顔が現れる。

「うわっ!亜里沙か…脅かすなよ…」

当校一年生No.1の人気を誇る美少女が悪戯っぽく笑う。

「だってぇ、先輩が「あ”〜」とか妙な呻き声上げながら歩いているから、

 みんなちょっと恐がってましたよ?」

やべぇ、また声に出てたか…これで更に変人の噂が広まるよな…

まあ、確かに俺は変人だがな。

「ああ、ちょっと頭の痛いことが有ってな」

「どうしたんですか?若宮先輩とケンカでもしたとか?」

心配そうに聞いてくる亜里沙。

「ん、そっちは大丈夫。ラブラブだから無問題」

亜里沙がふう、と溜息をつく。

「な〜んだ、残念!」

「おいおい…」

苦笑いしながら亜里沙のおでこをつん、と突く。

「きゃん!ショウ先輩に怒られちゃったぁ…」

ぺロっと舌を出し、少し拗ねた様に上目遣いで俺を見る。


…可愛いじゃねぇか、ちくしょう…


だ、だが遥の拗ねた時のアヒル口の方が可愛いがな!!

一瞬、遥のジト目が脳裏を過ぎって自分に言い訳する。

なにやってんだ俺は…


「それで、頭の痛い事ってなんですか?聞いちゃマズイ事ですか?」

亜里沙が小首を傾げながら聞いてくる。


…ちくしょう、可愛いじゃねぇか…


い、いや、もちろん遥の同じポーズの方が可愛いに決まってるがな!

…なんで俺は自分に言い訳して以下略。


「あ、ああ。今朝のHR(ホームルーム)で文化祭企画委員にされちまったんだ。

 しかも、話を良く聞いてなかったんで自分で自分に賛成票を入れちまってさ」

くすっと噴き出す亜里沙。

「ふふ、先輩らしいですね!でも、失敗したなあ」

はぁ?なにが?と俺が聞くと亜里沙が微笑みながら続けた。

「今朝、うちのクラスでも実行委員を決めたんです。

 もしショウ先輩が委員になってるのを知ってたら、私も立候補したのに。

 そうすれば、ショウ先輩と一緒にお仕事出来ましたね」

少しはにかむ様に微笑む亜里沙。


…可愛いじゃねえか以下略。


「まあ、そう言う訳だからこれから委員会に行く所さ。

 あ、そうだ、今週末は予定通りでいいのか?」

亜里沙が嬉しそうに微笑む。

「もちろんです!お願いします!」

ペコリ、と頭を下げる。

長いツインテールがふわっと宙を舞い、フローラルの香りが漂った。

俺は一瞬デレ、っとなったが直ぐに気を取り直して

「ああ、じゃあ週末な」

と右手を上げてスタスタと歩き出した。

さっきから殺気満々で俺を突き刺す視線の方向へと…


廊下の角を曲がると、そこには天井まで届きそうな怒りのオーラを身に纏った

我が最愛の娘がジト目とアヒル口をしっかりと現出させながら仁王立ちしていた。


…こ、恐ぇよ…


しかし、弓道部の袴姿の仁王様は、後ろに同じく袴姿の後輩を三人ほど連れていたので

爆発するワケにいかずに破裂寸前の風船の様になっている。

「あ〜らショウセンパイ、おモテになってよろしいわねぇ?」

俺は平然としたフリで軽く受け流す。

「ああ、たまにはね。お前も可愛らしい後輩連れて、相変らずモテてるよな」

後ろに控える女の子二人と、なよっとした(ヤロー)一人がきゃっきゃと騒ぐ。

って、男が女の子と似たような声できゃあきゃあ言うんじゃないっつーの。

「ま〜ね!あたしは人望有るし〜?」

腰に手を当ててくいっと胸を張る遥。

大きな胸が強調された袴姿はかなりエロく、

俺は昨晩の可愛い遥の姿を思い出して一瞬にへら、としてしまう。

「何Hな顔して笑ってんのよう!」

遥の声でハッと我に返る。


「ショウセンパイ、西村さんと仲良いんですね〜」

女の子の一人が興味津々と言った風に聞いてくる。

その瞬間、遥のおでこに青筋が一つ、ピピクうっ!!と立った。

「いや、別に仲が良いって程じゃないさ」

俺の必死の答えにもう一人の女の子が追い討ちを掛けて来る。

「え〜、でも、「コイツぅ」見たいな感じで西村さんのおでこ突いたりして、

 ラブラブカップルそのものに見えましたけどぉ〜?」


…止めてくれ、マジで…

う〜ん、ひーふーみーよー…五つ、か。

遥の顔に浮き出ている青筋の数を数えてみる俺。

よし、ちょっと落ち着いたぞ。寝れない時の羊さん数えの要領だな。

「バカ言うなよ!あの亜里沙と俺がカップルだなんて事が有る訳ないだろ!」

怪しげなアメリカ人の様なオーバーゼスチャーで両手をバンザイさせる。

よっし、これで完璧だ!


「きゃ〜!亜里沙、だってぇ!!」

「わあ!名前呼び捨てなんだ〜!」

「そんな!本当にお付き合いしてるんですかぁ?」


…ふっ…墓穴、ってヤツだな…


既に遥の顔自体がでっかい青筋の様になっており、プルプルと小刻みに震えている。


…こ、恐ぇよ…マジで…



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