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訳有?

読者の皆様からのありがたいお言葉を受け、ショウと遥が還って来ました。

すっかりラブラブな二人ですが、様々な出来事に巻き込まれてドタバタあたふたして行きます。果たしてどんなドラマが有るのか!?それはまだ禁則事項です♪(笑)

それでは、お楽しみ頂ける様頑張りますので、最後までお付き合いの程お願い致します。


2007/10/27 羽沢 将吾

ジリリリリリリ!

目覚ましがなってやがる。うぜぇ…

俺が目覚ましを止める為に起きようとすると、勝手に目覚ましが止まった。


「ねえ、ショウ。起きて」

ちゅっ


…!

俺がガバッと体を起こす。

「きゃっ!脅かさないでよぉ」

横にはビックリした顔で大きな瞳をくるくるとさせている遥が寝ていた。

そっか、昨夜は遥が泊まったんだっけな…

時計を見ると、午前五時。

「…おはよう、遥」

とりあえず朝の挨拶をする俺。

「おはよ、ショウ」

にっこりと微笑む遥。

身震いするほど可愛らしい。

俺は遥を抱き締めながらキスをした。

「あん…」

遥が可愛らしい声を上げながら瞳を閉じる。

しばらくキスをしたままになる俺達。


ジリリリリリリ!!


「おわっ!」

「きゃん!」

再び鳴り始めた目覚ましに俺達は飛び上がるほど驚いた。



俺と遥の初めての夜から二ヶ月が過ぎ、すっかり俺達はラブラブとなっていた。

ただ、亜由美や芳野先輩、その他のみんなの手前、学校では今まで通りの幼馴染となっている。

それに関してはいずれ決着を付けていかなければならないが、今の所は小康状態。

まあ、早い話がごく普通の日常を謳歌している。

悩みと言えば、遥に対する沙里の反発が想像以上に強く、

最近は沙里がほとんど遥と口をきかなくなってしまった事。

俺がなだめようとしても、この事だけは聞く耳を持たない。

家族思いの遥は口にこそ出さないものの相当悩んでいる事は間違いない。

俺が原因なのだから、近い内に何とかしなければな…


そしてもう一つ。

遥がフリーになった事はあっという間に学校中に広まってしまい、

遥にアタックしてくる男子(ヤロー)共がわんさかと沸いてきた事だ。

学園を二分する人気女子の片割れの亜由美は、元々ガードが固かったのと

入学初期に一通りの言い寄った男がさくっと振られているのだが、

お嬢様な亜由美と違ってフランクで体育会系のノリの遥には

入学当初からアタックしてくる男が途切れる事は無かった。

流石に芳野先輩と付き合いだしてからはアタックは無くなったが、

芳野先輩と別れた事が知れてからはまた以前の様になってしまった。

もちろん、遥は片っ端から丁重に断っているのだが、

しばらくはハイエナ達の熾烈な争いは続くだろう…


遥を布団に残して新聞配達に出かけた俺は、

そんな事を考えながらカブを走らせていた。

最後の家に新聞を入れ終わり、順路帳を仕舞う。

うん、今日も誤配も余りも無い!ハズ。

さ、今日は日曜日、帰ったら遥が部活に行くまではイチャイチャ出来るかな?

俺はカブのアクセルを全開にして、店へと急いだ。


部屋に戻ると遥が朝食の支度をしてくれている。

と言っても、遥のおばさんが作ってくれたのを持って来たんだが。

「お帰り、ショウ!」

部屋に入った俺に遥が抱き付いてくる。

俺達はまたしばらくキスを楽しむ。

遥は超キス魔で、一度吸い付くとなかなか離れなくなってしまう。

この時も二十分ほど玄関先に立ったままキスをしていた。


コンコン


突然のノックに飛び上がる俺達。

なんか今朝は驚いてばかりだな…


「はい、どなたですか?」

遥はささっと奥の部屋に入って行く。

「ショウくん、私だよ!」

可愛らしい声が響く。

俺は遥がパジャマを着替えたのを確認してから、ドアをそっと開いた。


愛らしい顔ににっこりとした笑顔を浮べ、手には大きなバスケットを持っている。

そこには、学園二大ヒロインの片割れであり、俺と遥の幼馴染でもある

南 亜由美が嬉しそうに立っていた。

「おはよう、亜由美。早いんだね」

動揺を外に出さずに微笑みかける俺。

「えへ、最近あんまりショウくんが構ってくれないから寂しくて来ちゃった!

 これ、早起きしてサンドイッチ作ってきたの!」

天使の様な笑顔で微笑む亜由美。

俺の心にちく、と申し訳無さの針が刺さる。

「そうか、遥も朝飯持って来てくれてるんだ。

 まあ上がれよ」

亜由美の家から俺の部屋は相当離れているのに、

こんな朝早く弁当を作って来るなんて…

そんな健気な娘を無下に帰すなんて出来ないな、やっぱ…

「あら!遥ちゃんも来てるの?

 じゃあ、お邪魔しま〜す!」

亜由美は微笑みながら俺の部屋に上がりこんだ。


「おはよ、亜由美」

遥が微笑みながら挨拶する。

「おはよう、遥ちゃん!」

亜由美も嬉しそうに返す。

亜由美が机の上にバスケットを置き、開けると美しく並べられた

アメリカンクラブハウスサンドイッチが姿を現した。

「すごーい!亜由美が作ったの?」

遥が歓声を上げる。俺もおお、と感嘆の声を漏らしてしまう。

「えへへ、まどかさんと一緒に作ったの!

 まどかさんって凄く料理上手いんだよ!」

亜由美が自慢げに話す。

色々有ったけど、すっかりまどかさんと打ち解けたようで一安心だ。

「でも、遥ちゃんも朝御飯持って来たなら食べきれないね、ショウくん」

亜由美の言葉に遥が答える。

「亜由美は今日、夕方くらいまでショウの所に居る気でしょ?

 あたしはそろそろ部活に行かなきゃだから、サンドイッチはお昼にすれば良いじゃない」

ニコニコしながら遥が言う。

が、右の眉毛の上に小さく青筋が立っているのを俺は見逃さなかった。

「んーん、私も今日はお昼から英会話教室だし、ショウくんもバイトでしょ?」

亜由美が小さな頭をふるふると振りながら残念そうに言う。

そう、最近俺は日曜の午後から夕方まで、近所のバイク屋さんでバイトをしている。

ガソリンスタンドは入院している間にクビにされてしまったので、

代わりのバイトを探していて見つけたんだ。

まだまだ見習いのペーペーなのでバイクの洗車と磨き位しか出来ないが、

その内整備や修理を教えてもらって親父の形見のスズキ・GSX750Sカタナを

自分の手で直して車検を取り、甦らせる積りだ。

まあ、その前に限定解除という超難関が待っているのだが…

「そう!じゃあ、そろそろ私は部活の用意しなくちゃ。

 じゃあね、ショウ、亜由美。また明日ね!」

遥がすっと立ち上がる。

「あ、食器は夜取りに来るから」

すいっと振り向いて俺に言う遥。


了解、また夜な。


俺は亜由美から見えない様に遥にウインクする。

遥は右手をヒラヒラさせながら部屋を出て行った。


「えへへ、二人になっちゃったね!」

亜由美が腕を絡めてくる。

むにゅっ

!この感触はっ!

「あ、亜由美…あんまりくっ付くなよ…」

俺はさっと腕を抜く。

「え〜、どうしてぇ?良いじゃない」

亜由美が上目遣いに俺を見ながら擦り寄ってくる。


親父(カタナ)、こういうときにどうすりゃ良いんだろ。

俺は隣の部屋に眠っているカタナに向かって問い掛けた。

長い午前中になりそうだな、こりゃ…




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