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東方兄妹記  作者: 面無し
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魔法使いと吸血鬼の出会い

今更読み返して気づきました。バハムートさんがいつの間にか消えてました。

バハムートさんが何処にいるかなどの文章を少々国にはいったあたりに追加しました。

読まなくてもいいように今どうなっているのかをここに端的に書きますと、

しばらくはこの近海にいるからと国の周辺にいます。

急に追加して申し訳ありません。

では、兄妹記を今後とも宜しくお願いします。

 ずいぶんと単調でわかりやすい構造の城を進む。

 さすが王城、警備の兵士さんたちはあとからあとから湧いてくるのだが、その彼等はとても王城の警備とは思えないような戦い方だ。

 私は風を起こして彼等を吹き飛ばす。彼等の目には魔術のように映るでしょう。なら、普通はそれに対抗できるように戦うのが普通のはずです。それなのに、それなのに彼等はそれしか知らないとでも言うように突っ込んでは吹き飛び突っ込んでは吹き飛びしている。

 王城の兵士にしてはあまりにも動きが素人すぎる。それに、私がこれだけ魔術に見える攻撃を行っているのに未だに魔術師の増援がない。魔術に対向するためには魔術というのを知らないんでしょうか?

 突破する方としては簡単でいいのですが、こうも簡単だと何かの罠を疑ってしまいます。

 まぁ進んで進んでしばらくして、一際大きい両開の扉の前に来ました。


「ここが王様のお部屋ですね、まぁそうでもないとこんな扉要りませんし」


 扉に手を置く。開けようとすると鍵がかかっていました。侵入者がいるんですし、当然ですね。

 身体強化の術式を能力で作った霊力をありったけ詰めて発動する。

 そして、中指を曲げ、それを親指で抑え、少し力を入れて扉に向けた。


「吹き飛べ」


 親指を離す。扉はまるで何もなかったかのように勢い良く開き、その勢いのまま開閉用の金具を引き連れて横の壁に吹き飛び、壁を砕いて何処かへいってしまった。


「うん、風通しが良くなりましたね」


 腐った王様の部屋にはもったいないくらいですね。そう思いながら、目の前にある玉座に目をやった。

 玉座の近くには明らかに豪華な服装の男の人、派手なトゲトゲが付いていかにも強いと主張するような鎧を着た人、妙に怪しげな黒装束の人の三人。

 そして、王座には王冠を被り、肘をついて私を眺める老人が一人。

 鎧が私の前へ出る。くぐもった声が私に問う。


「何用で来た?」


「地下での魔法生物について」


 私はその兜の奥を睨みつけながらそう答えた。

 鎧は振り向き、老人へと意見を聞くように振り向く。


「知られてはいけない」


 老人の答えは鎧の人に確認するような声だった。鎧はその答えに頷き私へと剣を向ける。

 実験を知られてはいけない、疑問に思われてもいけない、そういうことなのでしょう。にしてはずいぶん緩い隠蔽だったようには思えますが。

 何にしても、戦うことは避けられないのでしょう。……避けるつもりもありません。

 一つ、深呼吸をする。落ち着いて、心から雑念を消して、私は怒りを表に出した。


「いつでも、覚悟ができたなら、来なさい」

 

 


  ****




「派手にぶっ倒れてるね」


「これで死人がいないのが不思議だわ」


 姫ちゃんの能力で強制的に気絶した城の兵士たちが並ぶ廊下をフェリーと歩いている。

 その途中、曲がり角を曲がろうとしたところ怪しげな白髪の女を見つけた。後ろ姿しか見ていないから顔までは分からないが、身長が高いのが印象的だ。

 気付かれないように壁に隠れながら廊下を歩く白髪女を見てみる。


「魔術ではない……科学? この時代にそんな技術は存在しないはず……」


 白髪女は何やら興味深そうにぶつぶつとこの状況を分析しているようだ。

 ふいに、フェリーが俺の服を軽く引っ張った。振り返りどうしたのかと首を傾げてみる。

 フェリーは気付かれないように魔力の黄色い文字を書いて筆談で話してきた。


『彼女は一体何語を話してるの?』


 俺は一瞬フェリーの言っていることがわからず固まった。

 再度首を傾げてみる。


『だから、あの女の言葉は言葉じゃないの。あんな発音、人間じゃできないわよ』


 合点がいった。俺が白髪女の言葉がわかるのは能力が発動されているからというだけで、フェリーには違う言葉で聞こえているというわけだ。しかも、到底彼女では発音できないような言葉が。

 今の人間が発音できない言葉……俺の知識の中では一つしか無い。能力を使ってしか俺自身も話せない言葉……永琳達の言葉だ。

 月の人間が今回のことに関わっている? いやいや、穢れのない土地を求めて月に行った奴らがどうしていまさらこの地球に戻ってくる必要がある。だが、人の行動に可能性はつきものだ、無いとも言い切れない。

 黒幕がいるってことか、じゃあ一番怪しいのは月一族って奴らだ。月の民を自称しているということだし、外部と連絡をあまり取らないのは自分に穢れが移ることを避けるためかもしれない。

 白髪女が廊下を進む音がする。あまり音が遠くならない内に、行き先を見るために顔をのぞかせた。

 瞬間、目の前に人の脛が現れた、物凄い勢いで迫るそれが遅く見えたのは反射的に体が強化できたからかもしれない。まぁ、対応まではできなかったのだが。

 衝撃とともに壁にたたきつけられる。すぐに復帰し、追撃の拳を防げたのは先ほどの強化が効いていたからだろう。


「あなた達は誰かしら?」


 白髮女が俺に向けて問を放つ。

 それにいつものように不敵に答えようとして、目を疑った。よく知る顔が目前にある。いつかの都市の天才がそこにいる。

 永琳……なんでここにいいる? そう聞こうとした口を閉じた。雰囲気があまりにも永琳と違うからだ。

俺に警戒の色を示す目前の永琳似の女、本物は警戒を表に出さないだろう、考えを顔から読まれるのはいけないと、彼女は警戒するのだから。それに、本物なら俺のことを覚えているはずだろうし。


「さてね」


 俺は予定そのままの返答を口にする。永琳もどきが顔をしかめたのが見えた。

 フェリーの方はもう臨戦態勢に入っていた。用意周到なことで結構なことだ。

 拳を防いだ体制から永琳もどきにそのまま抱きついて拘束する。すんなり拘束されたところからすると、ありがたいことに戦闘は素人らしい。


「フェリー、もろともで大丈夫だから」


「わかったわ……木術『スリーパーフォグ』」


 彼女の魔法陣が光るとともに、緑の怪しげな煙が俺と永琳もどきを包む。

 煙は鼻腔をくすぐる優しげな緑の香りを発していて、意識が顔を覆う煙と同じようにふわふわ漂っていく。なんだか気持ちが良くて、俺は眠りについた。



     ****


 城に突入する手はずを一応整えて行ったところ、どこかの妹が先に片付けていたようで、その準備は無駄になってしまった。でも、侵入者の調査なんて嘘の名目であっても、野次馬には怪しまれず入れた得もあったからいいだろう。

 さて、はいった城の中は半ば予想していたとおりだった。清々しいほど綺麗に片付けられた城の兵たちは昏倒したままで、先に進むのにさほど苦労はない。


「地下があるし、まだ気を抜かないでね」


 私は拍子抜けした顔の三人にそう言った。

 地下のことまで姫には伝わっているとは思うけれど、多分あの娘のことだから地下より先に首謀者の方を重点的に叩いているはず。地下にまで彼女が手を出すのはもう少し先と見ていい。

 さて、そんなわけで地下への入り口を探しているんだけど、全く見つからない。王が出入りするのだから物理的な入り口があるものだと思っていたのに……見当違いだったかしら。まぁ最終手段で私が力ずくで壁をぶち抜く事もできるし、今はもう少し探してみましょ。

 そんなふうに考えながら曲がり角を曲がる。そして、ばったり出くわした紫髪の魔術師長に驚き、その背後でフワフワと浮かぶ人に零がいるのを見つけ、全員が先手必勝と武器を構えた。


「瀑符『炎龍』」


「霊刀『羽々斬』」


「雷撃『閃空』」


「『神激槍』」


「『地竜撃』」


 そして、各々の必殺の一撃を準備し、いざ放たんとした瞬間、目前の女が体を放り出して地面にぶっ倒れて降伏した。

 防御も取らず、迎撃も取らず、五体を放り出しての降伏に全員が意表を突かれて止まる。

 魔術師長はその空白に突っ込むように叫んだ。


「待って! 待って!! 待って!!! いくらでも事情は話すから殺さないで!」


 必死の勢いに気をそがれた私達は、必殺を構えたまま間抜けな顔で顔を見合わせ、溜息を付きながらそれをおろした。

 気をそがれ、覇気のない声で私は問を口にする。


「魔術師長さん……えっと、なにしてるの?」


「その……少々国家転覆に」


 伏せたまま苦笑いする彼女に、私は零の被害者(暫定)だと理解した。


後、これは宣伝なのですが、私の兄妹記のキャラが現在別作品の方々とコラボさせて頂いています。クロスオーバー小説〜幻想郷の超闘、世界を超える者たち〜という小説にて、家の反則主人公と、ずいぶん後に出るかもしれないキャラが出ております。

良かったらお読みください。

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