~氷河期~境界少女
誤字、脱字、感想ありましたら遠慮なく書いてください。
氷河期に入ると地球のほとんどが氷で覆われた。
知識としては知っていたが本当に生物には厳しい環境だ。
「俺と姫ちゃん除けばね」
「兄さん、ココアですよ」
「ありがとう姫ちゃん」
やぁ皆、今日も今日とて妹の素晴らしさに骨抜きな零だ。
隕石が落ちた後一番巨大なものを破壊した後に出てきた破片のせいで
地球が氷河期に入った、あれ破壊すれば終わりだと思った俺はバカだったよ。
で、ただ今氷の大陸上をキャンピングカー(水陸空移動可能)で移動中だ。
因みに操縦はオートパイロット。
「誰もいないなぁ姫ちゃん」
「ですねぇ、でも、世界に二人だけというのはロマンチックです」
頬を赤らめて頭を肩に乗せてくる姫ちゃん可愛いです、
お兄ちゃん死んじゃいそうだ(死なないけど)。
「二人だけかぁ、前の世界では息子と娘がいたもんなぁ」
「あの子たちも来ればよかったのに・・・」
俺達には二人の子供がいる、まぁ何億年と夫婦やってて二人って言うのも少ないが。
まぁその二人には俺の能力の劣化版(自分のコピーしたら劣化しか作れなかった)
を与えて残してきた、二人とも不老不死だから大丈夫☆
何時か遊びに来てくれたらうれしいなぁ。
「でも姫ちゃんがいればそれだけでも幸せ!」
「私も兄さんがいればそれでいいです!」
「ははは」
「えへへ」
照れくさいなぁ照れくさいなぁ
でも幸せだぁ、夫婦水入らずでこの氷界の中を進むぜ!
「て、おお!?」
「ひゃう!」
「おっと」
キャンピングカーが急に止まる、止まる時は目的地に着いたか設定距離を走ったか
・・・それか障害物が前に出てきて止まったか。
今回は急ブレーキだし障害物か、さて誰だ。
姫ちゃんがこけかけたんだから迷惑したんだぞ。
「大丈夫?」
「はい」
「じゃあ見てくるね」
「わかりました」
少年移動中
~キャンピングカー外~
キャンピングカーの外に出ると誰かが倒れている。
金色の長髪になんか・・・こう・・・袖のデカい服?
うーん、帽子かぶってます!以上!よくわからん!
・・・・・・あーなんだこれ?
人間だ、人間ではあるが・・・妖怪?
なんだこの・・・女の子。
「なんか狭間の存在みたいな感じだ」
「う・・・ん・・・」
・・・とにかく車に連れ込むか。
よっと、こんなもの軽い軽い!にしても胸デカいな、
まぁ当たっても何とも思わないが。
少年移動中
「ただいまー」
「お帰りなさい、って誰ですかその人?」
「障害物の子、気絶してるし連れてきたんだ」
「そうですか、ならベッドを用意しますね」
ガチャリと姫ちゃんがお客さん用のベッドを出す、この車は結構デカいのだ。
いやはや、この子美人だね、男が放っておかないだろうよ、
俺は姫ちゃんがいるからどうでもいいが。
「さて、寝かせるか」
ベッドに寝かしつけて
椅子を出して二人で座る。
「この子誰だろうなぁ」
「妖怪・・・のようで人間でもあるような・・・」
「「狭間」」
同時に言葉が出る、同じ考えのようだ。
「だよなぁ」
「ですよねぇ」
「ううん・・・」
さて、どうしようか、見ためから外傷はないし・・・
能力で調べたけど時間移動の痕跡くらいだ、時間移動の負荷気絶したんだろう。
あれは和らげないとどうしようもないからな。
「さて、今は寝かしてあげよう」
少年待機中
助けてから二時間後時間跳躍の女の子が起きた。
「あ・・・ここは・・・」
「お、起きたか」
ぽかんと口を開けてしまっている。
美人で普段はしないはずのその顔は意外と可愛い。
俺を見た後、姫ちゃんを見て彼女は急に咳をし扇子を広げて
「・・・わ、私は八雲紫です、どうぞよろしく!」
と言った、でも、扇子を広げてあわてて言ったのでその台詞は少し上ずってる。
うんうん、外見二十くらいだからねまだまだ青いね。
(外見十六の俺が言えたもんじゃないが)
「ああ、俺は神谷零だ、隣は妹の神姫」
「初めまして、紫さん」
「え、ええ、あ・・・その・・・零・・・さん」
さん付けかぁ・・・まぁいいやもう少ししたら外してもらおう。
「何?」
「その・・・私は・・・えと・・・」
扇子で顔を隠してであたふたしている。
なんだろう、とてつもなく珍しいものを見ている気がする・・・
「まぁ、落ち着いて、はいお茶」
「え・・・あ、ありがとうございます」
ズズズとお茶をすすった後、彼女は深呼吸をしてから話してくれた。
結構長い話だからなぁ、かいつまんで言うと。
未来から歴史を変えないために私きました、俺に借りがあります、
ですのでこのままご一緒させてもらってもいいですか、
あと未来の俺からビデオレターあるから一人で見てね☆とのことだ。
「・・・・」
「・・・あの、零さん?」
「あ、いやすまん、紫」
「はい、なんですか?」
「ついてくるのに条件があるんだ」
「はい」
さてさて、条件と言っても簡単だ、二つだけだし。
未来の俺か・・・どんなことを言ってくるんだろうな。
「一つ目、丁寧語を使わずに接してくれること」
「はい、あ、わかったわ」
「二つ目、さん付けしないで、痒いから」
「了解よ」
うんうん、よし、いいとも
こうして一人の仲間が加わった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
紫と姫ちゃんを奥に戻して俺はビデオレターを開いた。
未来の俺が何を言うか・・・なんでもいいんだけどね。
再生を押すと映像が映った、よく見慣れた俺の顔が見える。
『・・・あーあー、聞こえてるかな?未来の俺だ』
おそらく俺だからこの時のビデオは会話もできるだろうな。
能力でそういう機能を付加しててもおかしくない。
「聞こえてる、で?要件はなんだ?」
『簡単なことさ、二つくらいしか言うことがないぜ』
「そうか、じゃあさっさと言ってくれ」
『「姫ちゃんとイチャイチャしたいから」』
『「被せんなボケ」』
「・・・・」
この機能・・・俺だからか・・・・ウゼぇ!!
何だろう今すぐ壊したいぜ!?
『すまんな、一つ目、このあと東へ行ってみろ、面白いものが見れる』
「なんだよ?」
『行ってみたらわかるさ、珍しいどころのもんじゃないから』
なんだろうか、氷の世界で珍しいもの・・・消えない火とかそういうものか?
東と言えば日本の方か・・・行ってみるか、俺の話だし。
『じゃあ二つ目、こいつを持ってろ』
画面からヒョイと小さい扉型のアクセサリーが出てくる。
なんだこれは?世界移動時の扉によく似てるけど・・・
「これは?」
『いつかわかる、さて、これで用件は終わったし終わるわ』
こいつは・・・いや俺か、この後言うのは・・・
『「姫ちゃんとイチャイチャしたいし」』
・・・・・・・俺だな。
『「じゃあな」』
『「おう」』
電源を切る・・・自分と話すのはウザったいことがわかりました。
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「ふう」
奥に戻って三人でお茶をすする。
紫はもうここの空気になじんだようだ、まぁ未来の俺と知り合いなら
勝手知ったる他人・・・なのかな?まぁどうでもいい、
言いたいのは一つ
「このお茶美味い」
「さすが神姫ちゃん、わかってるわねぇ」
「そうですか?ありがとうです」
ああ、美味い、これは世界一だろ?
世界一の美少女が世界一のお茶・・・良いね!(兄バカ)
「それにしても平和だねぇ」
「そうですねぇ」
「・・・・・・・・」
ん?紫どうした、何もない平和なのに
そんなこれからそれがぶっ壊れるみたいな顔は?
・・・・・・・・・そういうこと。
車の前方で大きな気配がある、
急に現れたことから推測するとおそらく転移系の能力の妖怪!
そう考えていると突如妖怪の妖力が膨れ上がる
「姫ちゃん、紫、伏せろ!」
「へ?」
「きゃあ!」
二人をひっつかんで押し倒す、地面についた瞬間
頭上を何かが通って行った。
「・・・・・」
顔を上げると車の上半分が吹き飛んでいる。
その先には口を大きく開けた大型の犬がた妖怪。
・・・・・・妖力だけが大きく知能を持たない物・・・
「一番大きい隕石に含まれていた穢れを吸収し
急激に増えた妖力に体のついていかなかったもの」
厄介な相手だ、無駄に妖力が大きいから余計にだ。
さて・・・行こうか
「紫、そのまま待ってろ」
「え、待って私も行く!」
「・・・・」
何を言っているんでしょうか?
まだ妖力も弱いこの子が何を言っているんでしょうか?
「いいでしょ?私は歴史を繋がなければいけない、
力をつけるのなら実践が速いはずよ?」
「・・・ばか?」
「ばかよ」
・・・・・うーん、ここでまぁいいかと思う俺は馬鹿だな
普通考えて連れて行かないんだが・・・良いだろう。
「ただ、危なくなったら・・・」
「GAAAAAAAA!!!」
後ろから獣妖怪がとびかかってくる。
だがその攻撃は当たらない
「『矛盾』矛」
足もとから生えた槍によって顎を打たれて吹き飛んだからだ。
・・・まだこの程度の妖怪に負ける俺じゃない。
『暴君』五倍
「行くぞ」
「ええ」
「行ってらっしゃい兄さん、私はこの車を直しておきます」
流石俺の嫁である、うんとうなずいて獣を見る。
撃たれた妖怪は口に妖力を溜めている、おそらく一番最初の攻撃。
「紫、お前の能力使える?」
「・・・まだそんなに、できて空間の境界を操るくらいがせいぜいね」
「なら十分だ、あの攻撃あいつに返してやれ」
自分の攻撃を食らうってどんな気分だろうなぁ。
はっはっは、さぁやってやろう。
「こう・・・かしらね」
スイッと紫が振り下ろした扇子の位置に裂け目が出来る。
見たところまだ不安定だ、少し裂け目の輪郭がはっきりしない。
「どう?」
「要練習、だが上出来」
にや、と笑う、獣の妖怪は知性を持たないこちらが何をしていようが
気にも留めず攻撃する、だからこそありがたい。
「自分からくらってくれる」
妖怪が放った妖力砲は隙間に吸収される。
「開いて」
その後獣の上空に設置された裂け目が開く、
その中から妖力砲が降って獣に当たる。
・・・・・・なぁ妖怪よぉ
「今どんな気持ち?なぁ今どんな気持ちだ?」
「・・・ウザいわね」
言うな紫、大丈夫、普段はここまでウザくない
ただ今は平和なひと時を邪魔されたのが嫌だっただけだから。
「見てろよ紫」
「何を?」
「これが見本だ」
空間がつながる裂け目を作る技『境界通路』
前動作なしで足もとに裂け目が開く、その開通先は獣の斜め上。
「ふっ!」
裂け目に落ち、出口から上半身だけ通す。
そのまま矛を振って攻撃する。
しかしその攻撃はかわされる、軽く振ったのみだから当たるとも思ってないが。
「だが甘い」
避けた獣の下にも裂け目をだし今度は穂先だけで攻撃する。
それを避けるために獣が飛ぶ、それが目的だ。
「この力はこう使ってやる」
跳んだ獣の周囲に入り口が一つの無数の裂け目を開く。
と、同時に獣が落ちないように手足をこちらの空間につれてやる。
「さて、周囲からの一斉串刺しだ」
槍を入り口に刺す、出口が複数あるため
槍はすべての裂け目から出る・・・
周囲からの槍でぐしゃりとなる獣が見えた。
「こんな感じだ」
「何をしたの?」
ん?簡単な事さ、こんなものは全部
「ただの小細工だよ?」
作「なぁ・・・ここ普通にキャラとの雑談コーナーにするわ」
零「そうか、面白みがないなこのクズ作者」
作「まぁいいや、で、今回は紫が出てきたんだ」
零「そうか、で?未来から来てんだろ?設定は?」
作「あるよ、思いっきり考えた十分クオリティの設定があるよ」
零「手抜きだな、バカかお前は、それは書くのか?」
作「要望が多ければ番外で書きます、なかったらストーリーに
関係ないしそのままスルーするよ」
零「そう」
作「うんそう、で、話はこれくらい」
零「じゃあ最後だ」
作・零「これからもよろしくお願いします」