都市の最後
誤字脱字感想ありましたらよろしくお願いします。
おいおいおい、まじかよ・・・!
そう思ってしまった俺は悪くないと思う、なぜなら人が右往左往している中に
小石程度の隕石がぽつぽつと降ってきているのだから。
「当たってないだろうな!」
当たってしまえばここ人間は即死だろう。
そうならないためにも早急にロケットに連れて行って
その間隕石を防いでやる必要がある。
「永琳は何してるんだ!?」
『零!』
俺の頭に声が響く、永琳の声だ。
周りにいないのに声が聞こえるということはテレパシーか何かだろうか。
「永琳!今どこにいるんだ!?都市が混乱してるぞ!」
『わかってるわ、観測所からの報告で聞いたけど隕石が急に加速したの!』
おそらく穢れの影響だということらしい。
穢れが地球に引き寄せられてその分もう一段階加速してしまったらしい。
『私はロケットに避難誘導してくるわ、あなたは?』
「俺はそっちに人員を一気に転送する!広場を開けておけ!」
『了解したわ』
まずは今の小石隕石を防がないといけない。
防御用の技は三個ある、その中でも今回は物理に強い物にしよう。
「『矛盾』盾」
矛盾という有名なお話の中で出てくる何にも貫かれない盾だ。
まぁこの技は矛の方もあってひとくくりだが今回はこれのみだ。
因みに、物語中の表記と違って何にも貫かれないわけではない。
色は半透明の灰色だ。
「こいつを広域に展開」
その盾の大きさを都市の結界ギリギリまで広げる。
これで一応は防げるだろう。あとは永琳が出発するときに開いてやればいい。
「今の内に転送するか」
技『天帝玉座』発動。
この都市全体の人員の場所を把握!
『天帝玉座』はどこぞの神話の神様の玉座と同じで
自分の好きな地域の好きなものを見れる技だ。
今のように自分の補足したいものを補足するときによく使う。
『転送』は欠点として転送する対象を補足していないといけないからそのためだ。
「広場以外の人間を広場に『転送』!」
周りの人員がすべて消え広場に移される。
次は愛弟子のところに行かないとな、姫ちゃんは先に行ったはずだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「『攻音騎』」
攻撃する音に騎乗する。
そのままの意味で音速で移動する技だ。
攻撃はソニックブームが出るからだな意外と痛いぜ?
「さて、国下の家まで五秒で行こうか」
音速で移動を開始する。
まぁ台詞通り五秒でついてやった。
「姫ちゃん!」
「あ、兄さん!」
「おい零!隕石はまだもう少しあるって言ってなかったか!?」
国下か、わかってるさ、俺も最初は永琳の式で大丈夫だと思ってた。
どっちにしろたかが隕石だってね。でも今回のは穢れを内包してる。
地球に穢れが引き寄せられる性質なんて誰も知らなかったんだ。
「今回は誤算だったよ、俺も能力で知っていなきゃ対処が出来なかったところだ」
「そうか」
「で、零、私たちの避難はどうするの?」
尾都が聞いてくる。
「ああ、それはもう考えてある、都市の地下にシェルターを作ったんだ」
物理防御の盾に衝撃吸収素材を挟み込んで、
ついでに俺が指定した物質しか通さない便利な結界で覆った特製シェルターだ、
隕石の衝突にも無傷の自信がある。
「そこに入ればいいのね」
「そう」
「零は俺等と一緒にそこに入るんだよな?」
天がそういうが今回は俺は別行動させてもらう。
「いや、俺は外で隕石を迎撃する」
「は!?それって危険じゃないのか!?」
もちろん危険だよ?何言ってるんだ、
隕石の雨の中を歩くなんて狂気の沙汰をやるんだ。
「危険だよ、もちろんだ」
「なら!」
「だが俺だぞ?めったなことがないかぎり死ぬかよ、
それに、念を入れるに越したことはないからな、
隕石を潰せばそれだけシェルターにかかる負荷が少ない
それにロケットも安全だ」
正直なところめったなことですら俺が死ねるか不確定だ。
心配そうな顔をするな天、俺を誰だと思ってる?
「三十億年間の師匠だろ?」
「・・・誰が師匠だ!いつか倒すって言ったはずだ」
あ、そう
じゃあ行ってくるかな。
「じゃあ姫ちゃん頼んだよ?」
「わかりました、気を付けて」
「姫ちゃんがいるなら死なないよ、永遠だって生きてやる」
「誓いましたもんね」
にこっと姫ちゃんが笑う、俺を骨抜きにする笑顔だ。
その顔に何回も見送られた、今回も一気に気合が入る。
「行ってきます」
「「「「「行ってらっしゃい」」」」」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ふー」
外に出ると空が燃えてるように赤くなっていた。
都市の方を見るとロケットはもう少しのようだ。
最後に永琳に挨拶くらししてやればよかったかな?
まぁあいつも「最後の時はあいさつしないから」とか言ってたな、
それから「また会える気もするし」とかとも言ってた。
「女の勘は鋭いから当たるんだろうなぁ」
何年先かは知らないが。
さて、隕石撃墜の準備をしようか。
銃でやってもいいが霊力の弾幕でもいい、
どうせなら二つと持って言う選択もある。
両方にしよう、後俺自身で動いて撃墜する分もあるしな。
「『革進』『暴君』百倍、『激魂歌』」
今回は容赦をする必要がない、霊力増大も加減なしだ。
地面は余裕で削れてるし漏れ出す霊力で体が浮いてる。
さて、銃だ『銃器祭り』今回は全部展開させてもらう。
「はてさて、行こうかね!」
俺は空に銃口を向けさせ放つと同時に自分もそれへと飛び出した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
~ロケット発射場広場~
SIDE永琳
人員はすべてロケットに乗った、
物資も全部詰めこめた、後は出発するだけだ。
・・・でも
「挨拶はいらないししないって言ったのは私なんだけどなぁ」
いざとなるとやはり別れの挨拶をしたくなる、
まぁあの二人のことだから言いには来ないでしょうね。
そう思ったところで上空から爆発音がする。
「?」
上を見た見るが問題はない。
だが爆発音は鳴りやまない。
もう一度上を見る。
「!」
そこで気づいた上空で爆発が起きているのだと。
上空で空色と鉛の弾丸が雨のように飛び、速すぎて正体のわからない
黒い物体が隕石を破壊している。
「どう考えても零よね」
隕石をぶつかるだけで破壊できる物など都市以外で見たことはない。
ついでに言うと都市以外で文明の兵器となる物を見たことがない。
都市の武器がないならあれは妖怪くらいだ、しかし妖怪は隕石に耐えるものなどめったにいない。
もしも人間だとしたら規格外な兄妹の兄の方くらいだ。
「時間を稼いでくれてるのかしら?
それともある意味の見送り?」
おそらく前者ね。
急がないとね、他の者にも急がせないといけない。
「全員急いで!都市最強の用心棒が
時間稼ぎじゃ格好つかないでしょ!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――
~都市上空~
SIDE零
「はああ!!」
一秒に三百五十メートル。
その速度で壊せない隕石なんてない!
永琳たちも出発したようだ、しばらくはシェルター近くを重点的にやろう。
『零?』
「永琳か」
通信なんて珍しい、それに挨拶はしないんじゃなかったか?
『最後に挨拶しておこうと思って』
「自分から言っといてか」
『それでもよ』
「姫ちゃんには?」
『さっき済ませたわ』
そう、まぁ姫ちゃんも俺とおんなじような反応だと思うけどな。
あ、なんかでかいの落ちてきた。壊しに行かないと。
「ん、じゃあまた」
『ええ、また』
上空を見ると大きなデカい隕石が落ちてきていた。
うーんデカいな、あれが当たったら氷河期が来るどころじゃないと思うんだが?
『あ、そうそう』
「ん?」
『今落ちてる一番デカいのはもともと私たちが迎撃する予定だったんだけど
時間がなくて失敗したからお願いね』
・・・はぁ!?嘘だろ!?あれだけ時間用意したのに
失敗!?・・・
「嘘だろ?」
『嘘よ、まぁよろしくね』
はぁ仕方ない・・・・いいとも、永琳の出立おめでとうの花火にしてやる。
「本気の本気でぶっ潰してやるよ!」
さて、ちっこいのはもうどうでもいい、
攻撃用の技は・・・っと、これでいいか。
「『アルマゲドン』」
俺の手のひらにサッカーボール位の黒い球体が出現する。
これは俺の技でもかなり古い奴だ、そして威力も高い。
いやはや、あの時は中学の時の恥ずかしい技が使えるなんて思ってもなかったぜ。
「追加で霊力も足して圧縮」
霊力を入れるのは簡単だ、その後の無理な圧縮も
一応はできる、伊達に何十億歳じゃない。
「ラストだ、『紅翼』」
名前そのまま紅い翼の形をした加速器だ、
自分の自由に出力方向を変えれるから小回りも効く優れものだ。
加速速度は遣り過ぎ感が半端ない、音速は余裕で超える。
今回はそれでいいんだがな。
「さて内側でこいつを爆発させてやる」
この黒い物体は俺の技の中で最も派生形の多いものだ。
追尾する槍だったり一方向にとんでもなく増殖したり、まぁ色々だ。
「・・・・・・・・」
翼を広げる。
周りの空気が翼のエネルギーで震える。
目指すのは隕石の中心部、核から全部爆発させてやる!
足に力を入れる、空中を移動する技でそこに俺だけの足場がある。
そのまま一気に跳び、飛ぶ!
「はあ!」
宇宙空間まで行かなくていい、大気圏からでいい、
ただ、目の前のこいつに、この技を埋め込んでやればいい。
隕石にぶつかる間それだけを考えていた。
そしてぶつける瞬間。
「ああああああああああ!!!」
一気に前に出した黒い球体、
そこから俺に向かって黒いエネルギーの薄い膜が張る。
大気圏の熱のような形のこの膜、纏ったその姿から
昔から言われたこの技の異名『黒隕石』。
そのままの黒い隕石、その姿のまま隕石に突っ込む。
潜る、中心近くまで潜る、そしてその中心で止まる。
「じゃあ見せてやるよ、この圧縮されたエネルギーが爆発したらどうなるか」
さて、祝の花火だ!
圧縮されたエネルギーを今度は一気に膨張させる。
爆発に巻き込まれないために俺は一足先にシェルターの上空に転送させてもらった。
「・・・・・・・・」
そこからは砕けた隕石の大きな破片と小さな破片が散って燃えている。
それはまさしく花火のようで、感想を言うなら・・・
「綺麗だ」
都市での最後の年、俺と姫ちゃんと愛弟子とその嫁はシェルター内で暮らした。
次の年の初め、俺達はそれぞれ分かれ、世界を廻ることにした、
またいつかと約束を交わして。
零「おい作者、サブが予告から変わってんぞ!」
作「仕方ないじゃないか!本気出させるつもりが出せなかったんだから!」
零「・・・・だめ作者め!」作「その通りだ!何が悪い!」
零「・・・だめだこりゃ」
作「まぁいいや次回予告はやめてなんか違うのにします」
零「だめ作者が考えるまで少しお待ちください」
作・零「これからもよろしくお願いします」