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東方兄妹記  作者: 面無し
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凍結・穢れ

 淡雪の家は何故か扉が開かなくなっていた。

調べてみると、スキマが全て氷で埋められていた。

入らないといけないし、壊してしまってもいいだろう。

いざとなれば、後で修復すれば良い話だ。


「せいっ」


 ひと通りの強化を済ませ、ドアを蹴りでぶち抜いた。

瞬間、俺の霊力とドア枠のスキマから煙状の穢れが噴出してきた。

 確か、圧縮した穢れは固体にも変化するんだったか、

ということは、霧になるほど中の穢れは濃密だと言っていいか。

 ならば、早めに行動しないといけない。


「さっさと見つけないと……」


 そう呟いたところで、部屋の中で何かが光った。

次の瞬間、ぶち抜いた入り口から巨大な氷の槍が迫ってきた。

 すぐさま体を反らして避け、前方に向けて『三式』を張る。

 次の瞬間、十数本の氷の槍が、俺の貼った盾に突き刺さっていた。

 セラミックに突き刺さる氷の槍とはまた珍しいもんだが、

貫通していないところを見るに、威力はライフルよりは低いらしい。

 ということは、このまま進んでも大丈夫ということだ。


「淡雪、そこでなにしてるのかな?」


「なんにもできないかな」


 返事を期待していなかった問に声が返る。少年の声ではなく、

酷く音の割れたノイズのような声だったが、それでも返事が帰ってきた。

 ただ、問題は彼が今どういう状態にあるのかどうかだ。

 返事ができるということは意識があると見て間違いはないだろう。

それに、問いかけに対しての返事もおかしくなかったから知性もある。

 ただ、後は人格と理性と能力がどうなっているかが問題になってくる。

人格が変わっていれば、容赦なく襲ってくるだろう。助けにくい。

理性がなかった場合、攻撃が止むはず無いのでそれは考えにくいか。

能力は一番確率が高い、制御できなくて振り回されるだろう。

 ここは、淡雪がきちんと淡雪であるか確認しなければならない。

というわけで、俺は淡雪になら答えられる質問をした。


「君の新しい家族のお名前は?」


「火華ちゃん……」


 うん、多分人格は淡雪のままだね。

じゃあ、能力が暴走して抑えきれてないのが正しいか。

 ノイズのはいった声は周りの影響と考えていいだろう。


「おっけい、正解だ。そこにいて大丈夫かい?」


「大丈夫じゃないね。さっきから能力がどんどん漏れてるんだ。

さっきの槍は……多分反射的に作ったんだと思う」


「思うってことは、度々意識飛んでたりする?」


「する」


 さっきの槍は意識が飛んだのと同時にできたんだろう。

そこにちょうど入ってきた俺はそれはそれですごい偶然だったわけだが。

 何にしても、このまま放っては置けないだろう。

そう考えて、淡雪に近づこうとしたところで、淡雪に止められた。


「気を付けてくれ、周囲が全部凍りかけてるんだ。

時間とか空間も凍りかけてるからヘタしたら身動きできなくなるよ」


「あーわかった。周囲からの干渉は通用するからな。ふむ、どうしたもんか。」


 俺自身に能力は通じない、が、抜け道はある。

俺自身に大将を絞りさえしなければ、普通に聞いてしまう。

例えば、時間操作なんかは俺ではなく世界の方に干渉する。

故に、俺にも通じるし、止まっている間は抵抗ができない。

 対抗策は有る、でも、発動に三秒かかるし(一応止まっていても発動するが)、

二回目を使うには二秒かかる。どうにも画期的とはいえない。

それでも、その空間から別空間に転移できるから一応大丈夫だが、

でも、どちらにせよ、俺に対しても捕縛方法は有るにはあるんだ。

 今回は入れば凍らされるので、淡雪に接触しにくくなるというのがある。

こういう時、創なら凍らされた空間を消去しながら進めるんだがな。

俺となるとそう簡単には行かない。

 解決策をあれこれ考えていると、一ついいのが浮かんできた。


「よし、触れないなら触らなければいいんだ」


 単純なことだ。さわれないなら触らなければいい、

病気になりたくないなら、菌に触れなければいいということだ。

 というわけで、俺は遠くの空間に干渉できる技を探していく。

『間穴泉』は空間をつなげる技のため、こちらに影響が出る。

だから、今回は空間Bを空間Aと同期させる技『空接合』を使わせてもらう。

これは、空間Aにおこる変化を空間Bにも起こす技で、

空間どうしを接続する『間穴泉』にはできない事ができる。

欠点はつかえる状況が少ないことぐらいだ。

 さて、早速淡雪の存在を空間Bと認知して接続し、

俺の目の前の空間を空間Aとして同期させることにした。

 早くしないと暴走するだろうと考え、

早速始めようと空間に手を伸ばした、その時。

同期させる側のはずの空間が黒く染まりはじめた。


「なっ!? 逆流してる!?」


 俺は目の前で怒ったことが信じられずに叫んだ。

同期される側であるはずの淡雪に、どうする側が侵されている。

 一旦退こうと思った時にはもう遅かった。

目の前の空間は一気に弾け、淡雪の凍結が自身の周りを包み込んでいた。


「やばっ、逃げれな……」


 周囲の時間ごと、凍らされる。

そこで、一旦意識が途切れてしまった。

途切れる一瞬前、ノイズがかった淡雪の声が聞こえた。


「ごめん」



      ****


「ああもう! 全く効いてないじゃない!」


「弾幕が穢れの受け過ぎで消滅してるんですね。

物理攻撃をほぼ無効化するなんて、兄さんや創さんみたいですよね」


「全く嬉しくないわ」


 蛇と合ってから数分。私達は容赦なく弾幕をけしかけた。

威力も申し分ないものだ。当たれば乗用車が吹き飛ぶような弾幕だから。

 が、目の前の蛇は平然としている。何故か、弾幕が当たっていないからだ。

先程から、弾幕は蛇の目の前で黒く染まり、雲散霧消してしまっている。

蛇捜索に使った『偶然の必然』も当然ながら使用している。

自分の攻撃が偶然にも相手に当たる確率。それを最大まで拡大しているのだ。

偶々偶然、幸運にも的に当たるはずの攻撃、それが当たらないということは、

今の敵には私の攻撃が当たる可能性は無い、と考えるのが妥当だろう。

 まぁ、幸いなことといえば、向こうから攻撃がないことだろうか。


「で、どうします?」


「どうしたもこうしたも、何かないの?」


「もちろん、ありますよ」


 私は慌てる紫さんにそう言った。

 そして、空間倉庫から私専用の武器を取り出した。

取り出したのは白色に輝く手甲と、同色に輝く布地。

 取り出した武器を見た紫さんは物珍しそうに手甲を見て言いました。


「あんたもずいぶんと特殊そうな武器持ってるのね」


「まぁ、長く生きてるとこれくらいは……ね」


 私は手甲をはめながら、そう答えました。

 この手甲は指先に細い細い糸が仕込まれています。

振ると同時にその糸が飛び出し、物体に当たると、それを切断します。

感覚としては、『切断ができる鞭』というのが一番しっくり来ると思います。


「さてと、これなら聞くはずです……よっ!」


 言葉を発しながら蛇を一閃する。蛇の首は綺麗に切断されて吹き飛んだ。


「嘘……どうして!?」


「物理攻撃が効かないなら、物理以外の攻撃をすればいいんですよ」


 目を白黒させて聞いてきた紫さんに答えた。

が、紫さんはまだ納得がいかなかったようです。


「つまり……どういうこと?」


「穢は負エネルギー、よく言えば『死』の集まりですよね。

だから、生命や術、エネルギー弾は大量の穢れを浴びると、

一気に『死』に近づき、消滅してしまいます。ここまで大丈夫ですか?」


「ええ、大丈夫よ」


「エネルギー弾や、普通の生物が死んでしまうのは、

相手の保有する負のエネルギーが生物たちよりも大きいからです。

じゃあ、どうすればいいか、『死』よりも『生』を大きくすればいいんです。

私は不老不死ですから、一応は消滅するかしないかで言えば、しません。

ですので、私並の生命力を保有する攻撃を当てちゃえば、いいのです。

この武器は、ある前の世界で作ったもので、生命力が私とリンクしてるんです」


「つまり、それでの攻撃は、あなたの生命エネルギーを持ってるから、

あいつに当たる前に消えず、そのままヒットさせることが出来るってこと?」


「そういうことです」


 なるほど、というふうに紫さんは手を叩いた。

まぁ要は、相手の力が大きいなら、それ以上の力で攻撃すればいいということだ。

単純であるが、それ故に、その効果は顕著に現れる。

今の状況がそれを示してくれているだろう。

 さて、蛇は始末し終えた。兄さんを助けに行かなければいけません。

いつもの様に無茶をしているでしょうし、この穢れの浄化も必要です。

 そう考えて紫さんに声をかけると、返事の代わりに引き寄せられた。


「ちょっ、どうしたんです……」


 急な出来事に驚いた私が紫さんに疑問をかけようとしたところで、

背中を寒気が駆け抜け、おまけとでも言うように、

さっきまで私が立っていたところを、大きな黒い槍が通過した。

 私は槍が飛んできた方向を確認する。そこにはあの蛇がいたはずだ。

 

「本当、厄介ですね」


 案の定、そこには何事もなかったかのように蛇がいた。

その周囲からは黒い穢れの蒸気がもうもうと烟り。

その目は攻撃をしてこなかった先程から打って変わって、

今にも攻撃をするぞと脅すような、赤い光が灯っていた。

 ああ、兄さんすみません。と私は彼に謝った。

もうしばらく相手をしなければならないらしい。

攻撃をしてきた理由も含め、全て、聞かせてもらうことにしよう。


「覚悟してくださいね」


私は蛇に向かってそう呟いた。

「少しお知らせ」

ページの文章の折り返し方についてですが、

現在、わざと文章を途中で区切ったりして分けています。

理由は横に文章が続きすぎると見難いのではないか、

というのがあるからです。

ですが、他作者様の作品を見ていると、

どうも一文はそのままの小説みたいに書かれている方が多いようです。

ですので、次回は一度、試験的に文章のわけかたが変わると思います。


さて、本題ですが、どちらが良かったかを知らせてもらえれば嬉しいです。

感想でもメッセージでもなんでもいいので、

たくさんの意見がもらえると、助かります。


これからも「東方兄妹記』と作者の無個性をよろしくお願いします。

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